船橋リズムセンター

「野に在って野に下らず、俗に在って俗に流されず」。こだわりなし、怒りなし、浅く、ぶれつつ、無着陸、、、

「パシフィック・リム」、3D・吹替え・IMAXで観てきた

パシフィック・リム」について書くのにそろそろ自分の中でよい具合に発酵してきた、とは言わない、よい具合に風化してきた、ので、印象を思い出しつつ、拾いつつ。

 
まず、告白すると、怪獣にもロボットにも、これといって愛着はない。世代的にというのでなく、たまたま引っかかることがなかった。
ガンダムの魅力もいまだにわからない。
 
怪獣とロボットがガッツリ戦う映画だと聞いて、まず思ったのは、これなら子どもと観にいける、であった。
 
ひとりで観に行ってもいいのだが、怪獣にもロボットにも愛着のない人間が足を運ぶのは、何となく気が引ける。入場許可されないのでは?とか。
単純明快なエンターテイメントなんだろうに、逆に敷居が高く感じられる。
 
映画監督(アーティストでもいい)が自分の好きなものにリスペクトをふんだんに注いでつくりあげたものというのは、その映画監督(アーティスト)に元々興味があればいいのだけども、そうでない場合、単に自己満足、嫌な言い方をすれば、マスターベーションを見せつけられているような気がしてしまう。
し、その映画監督(アーティスト)と同様に、その好きなものへのリスペクトを求められているような気もして、それが敷居の高さに繋がる。
タランティーノのことをなんとなく想定して、いま、これを書いたが、「キル・ビル」なんて、まるで私はダメなのだ…
 
ギレルモ・デル・トロは「ヘル・ボーイ」くらいしか観ていない。「パンズ・ラビリンス」は観たいと思いつつ、観そびれている。
 
そんなわけで「パシフィック・リム」は、「子どもと盛り上がれる」というくらいの期待だけで、あとはそれほど気持ちの高ぶりもなかった。
 
前振りが長い。
 
3D、吹替え、IMAXでの鑑賞。
本編に触れる前に、IMAX。初体験。
「メガネをつけてください」のアナウンスの後の、10からのカウントダウン、8あたりから急に3Dワールド突入、みたいになるところで「おおーっ」と声が漏れそうになるくらいの驚き。
あと音響。どっかのCMで見た気がする、あまりの音響に手にしているポップコーンが容器から飛び出すという、まさにあのままの体感。
メガネの装着感も違和感なく、はじめて3D映画を観ていて最後までストレスを感じることがなかった。
もう、3DはIMAX以外では観たくない。
 
で、本編。
開巻からサンフランシスコで橋を破壊して暴れる怪獣。落下する車が目の前に迫ってくる。
このブログのように、妙に長い前振りが一切ない。
怪獣の立ち回りに続いて、モノローグで、怪獣が世界に姿を現してから、人類がその対抗措置としてロボット=イェーガーを造り、勝利を収めるかと思ったが、それから数年…てな感じで、ものの数分で怪獣VSイェーガーの歴史を紹介してくれる。
とにかく怪獣VSイェーガーのアクションを観たい、それだけが楽しみという小学生男子を連れて観にきている向きには、なんとも助かる。
 
怪獣に襲われている世界の市民の日常なんて一切無視。
ゲリラになってしまった元軍人の政治的な駆け引きも無視。
怪獣が深海から地上を目指す理由も、多少説明してくれるが、まあ、どうでもいい。
パイロットたちの人間ドラマも、ストーリーを牽引するほどではないが、これもどうでもいい。
THE怪獣VSロボット=THEエンターテイメント!
以上。
この潔さ。
 
ロボットや怪獣の造形、ロボットの武器、繰り出す技、戦闘シーンなどに、おそらく様々な引用があったんだろうが、そこを楽しむほどの知識も愛もない。
が、それでも巨大なロボット、怪獣が、容赦なく街を破壊しながら、または海で飛沫を何10㍍も上げながら戦う様は自然と手に力が入る。
ジプシーデンジャーが片手に漁船を持ちながら嵐の海で怪獣と戦うシーンはなかなか美しい。浮世絵っぽい感じがする。
 
中国製のイェーガー、3本腕のクリムゾンタイフーンが、出番は少ないもののなかなかかっこよかった。と、上映後うちの子と話す。こういう会話ができるのって、いい映画だな、と。
 
グッときたポイント。
イェーガーがすでに何年も戦ったあとという設定なので、あちこち修理しながら使用しているんだけども、金属が適度に傷んでるのが、グッとくる。
音楽が勇ましいのもいい。
怪獣が電磁波でイェーガーや街の電源をダウンさせてしまうシーン、いいねえ。
二人のパイロットが「ドリフト」(心と脳をシンクロさせる)して腕を振り上げると、イェーガーも同様に腕を振り上げる、なんてのもゾクッとする。
 
ちょっと残念だったのは、夜や海中での戦闘シーンが多くて、ごちゃごちゃしてる感が否めなかった。
怪獣がもっと無駄に見得を切るカットとかあってもよかったな。「これから攻撃するぞ」とでもいうように空に向かって咆哮する、馬みたいに地面を蹴る、とか。
 
しかし、怪獣はどれも迫力があったけども、どれも似たようなもさっとした造りで、話の設定上、どれも似たようになるのは仕方ないにしても、初代ウルトラマンウルトラセブンなんかに出てきた日本の怪獣の造形に較べると、いまいち物足りなさも。というか、そうした日本の怪獣たちの造形のオリジナリティって凄いな、凄かったんだな、とあらためて思う。
 
この作品に関しては俳優の演技云々ってあまり必要ない気もするが、菊池凜子も芦田愛菜もすごく監督に大事に扱われてるな、そして二人ともそれにしっかり応えてるな、という印象。
 
おわり