船橋リズムセンター

「野に在って野に下らず、俗に在って俗に流されず」。こだわりなし、怒りなし、浅く、ぶれつつ、無着陸、、、

「恋の渦」をやっと観てきた!!!!

ようやく念願の「恋の渦」を観に行く。

「モテキ」の大根仁監督の劇場長編作品2作目。

まあ、噂に違わぬ面白さ!大いに笑わせられる。
個人的には、昨年の「桐島、部活やめるってよ」に匹敵する衝撃。
 
Twitterを通じて話題になっているのを目にしてから気になっていたものの、一番はやはりチラシのビジュアルのインパクトだったろうか、予告編よりもチラシの方にグッと掴まれた。
コンビニの雑誌コーナーにあるのを見たことあるな、あのビジュアル、でも、実際に手にして読んだことないからタイトルがわからない。キラキラしてて、安っぽくて、カッコだけは上等で…このデザインをまんま持ってきた、映画を観たあとだからなおさらそう言えるが、作品のイメージを見事に表現したチラシ。素晴らしい。
「ゲスで!エロくて!!DQN♥」というコピーも秀逸。
 
正直なところを言えば、ギャルやチャラ男のDQNな恋愛模様を覗き見したい、それを鼻で笑いたい、という欲望があったに違いない。確かにあった。「警視庁24時」や大家族もののドキュメンタリーバラエティを見るのにも似た、下世話で低俗な好奇心である。
ところが、まあ、ある程度はそういう好奇心が満たされた部分もあったけども、決して違う世界の、低レベルな恋愛ものとは言い切れない。
というより、人は誰しも恋愛の渦中にいると、これほどまでに自分をコントロールできないものなんだ、と、その点についてはギャルもチャラ男も草食系男子も独身OLも、男女一般皆同じなんではないか?そんな普遍性を感じさせる。
とか言いながらも、9人の登場人物のうち誰にも感情移入はできなかったが…
 
話を簡単に説明すると、彼女のいない友達に女を紹介する目的で開かれた部屋コン(部屋でのコンパ)に集まった9人の男女の、建前と本音が入り乱れる恋愛模様、といったもの。
 
本作は山本政志監督が主催する「シネマ★インパクト」*1というワークショップの中から生まれた作品で、いわゆる低予算のインディーズ映画として製作されている。
予算の制限上、撮影日数も数日と限られ、俳優も決して名の知れた俳優ではない。
120分以上もある本編で描かれるのは、たった4つの部屋だけで、それも恐らくセットではなく、実際にスタッフかワークショップの受講生か知り合いかの部屋を使っているように見える。ゆえに、カメラ位置は大体同じ位置に決まってしまい、似たような窮屈な構図に120分以上付き合うのは正直しんどさがある。
 
とはいえ、なんといっても登場人物たちのリアルな会話のやりとり、9人が9人ほとんど巧みに(?)建前と本音を使い分け、したたかだったり腹黒かったり、小心だったりする微妙に共感しかねるキャラクター造形(でも実は1人だけ純朴な登場人物がいる)、が素晴らしく、それらを演じる若い俳優陣もそれぞれ魅力的で、120分以上もの長さを感じさせない面白さ。
男女の痴話喧嘩が非常に他愛もない、些細なことから始まるところがリアル。自分の身に降りかかれば、当事者として笑ってもいられないだろうけども、他人事だとこれが滅法おかしい。
一例、コウジが同棲するトモコに、弟のナオキが連れてきた彼女に対する態度が冷たかったといって責めるシーン。トモコの言い分は、友達のユウコと彼女のいないオサムをくっつけるのに気が回っていたので、ナオキの彼女に配慮する余裕がなかった、と。じゃあ、コウジがもっと話しかけたりしてフォローすればよかったんじゃない?と返すと、「日本ではそういうのは女同士で話したりするでしょ」(という意味合いの)、「なに、俺に責任転嫁しようとしてるの?」、と。
こういうもつれ方を脚本という形で掬い上げるというのが、うまいなあと思う。
 
キャラクターが一人ひとり非常に面白いのだけども、なかでもトモコの、素直そうで鈍いだけ、従順そうで自分を庇護してくれる人をただ放さないだけ、という頭が悪いんだかしたたかなんだかわからないキャラの造形とその役を演じた若井尚子に驚嘆。
このキャラって、「モテキ」の麻生久美子が演じたキャラとなんかかぶる気がする。「モテキ」でもこの麻生久美子が演じたキャラ(名前が出てこない)が一番よくできてると思ったので、大根仁監督はこの手のフワフワしててうざいんだけど、どこかしたたか、というキャラが好きなのか、得意としてるのかどちらかなのでは、と思っている。
 
オーディトリウム渋谷での上映は今月20日まで。
公式サイトから、本編の冒頭部屋コンシーンも観られるので、これを観て続きが観たいと思った方は急いでください。
 
「モテキ」また観返そう。
 
終わり