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船橋リズムセンター

「野に在って野に下らず、俗に在って俗に流されず」。こだわりなし、怒りなし、浅く、ぶれつつ、無着陸、、、

キング・オブ・コント2013、決勝出場8組についてこんな風に思った

お笑い好きなんだけども、テレビのバラエティはそうでもない。コントや漫才といったネタを見るのが好きで、でもライブや舞台には足を運んだことがない。

というわけでお笑いについてなにがしか語る資格など到底あるわけがないのは承知で、偏見もあるだろうけども、昨日の「キング・オブ・コント2013」について書いてみる。
 
今年ではや6回目。去年バイきんぐが優勝した回は、どういうわけかはじめから2/3ほどを見逃してしまったが、それまでは一応全部見ている。
東京03とキング・オブ・コメディが優勝した回はなかなか見応えあった、と記憶してる。
 
さて、今回出場の8組、基本的にライブを見たりしないし、まめにお笑いの情報を仕入れてるわけでもないので、テレビでの露出がイコール知名度になっている。なのでTKOは勿論知っているが、それ以外はあまり知らない。知らないといっても、「THE MANZAI」や前回までの「キング・オブ・コント」の決勝に出場したコンビには見覚えはある。まったくの初見はジグザグジギーだけ。こういう未知のコンビがいきなりゴールデンでネタを見せてくれる、というのが楽しみのひとつ。
 
一回目の出順で各コンビについて感想などを簡単に。
 
うしろシティ、去年のネタは覚えてないか、おそらく見逃している。
爽やかな青年風貌の2人組、ギターを持たせたらストリートミュージシャン風、ルックスで損をしてる気がしてしまう。
一本目の「東京へ出て夢を叶えるなんてありふれてるよ」も、二本目の「結局100億の資産をちらつかせられたら夢も人生訓も綺麗事だよね」もどちらも、まさに夢を抱いてるはずの2人のお笑い芸人の身から出た、逆説的な夢讃歌みたいなものだろう。
悪くはなかったし、一本目はちょっと評価が低過ぎるとも思ったけども、この手のネタと芸風は正直苦手…
 
鬼ヶ島、くだらなくて好き。一本目の「悪魔に取り憑かれた高校生」が秀逸。リアリティなんて蹴っ飛ばして、無茶苦茶な設定で、それでも引き込むだけの力がある。ただ、二本見ると「うるさいなあ」と思ってしまう。決勝に残ったコンビに似たような芸風がいなかったのがよかったかも。それとうるさかったアイアム野田が愛されキャラだよね、憎めない。ダチョウ倶楽部の上島、インスタントジョンソンのゆうぞう(だっけかな?「お疲れちゃ〜ん」の)の系譜に連なる。
 
かもめんたる、優勝おめでとうございます。異存なし。去年、先生と小学生のネタ見たはずなんだけど、あまり覚えてない。
一本目の「路上アーティストの才能を鼻で笑う成金マダム」も、二本目の「家来とへりくだりつつ実はストーカー」もどっちも毒があるんだけど、嫌味じゃないところに熟練の技を感じる。
一本目の「あれ?マネキン?」という捻りが素晴らしい。あれで4,5分のネタが一気に一本の映画分のストーリーにまでブワッと膨らんだ。あいだみつを風の詩の中に一枚「ピエロのプライド」というのが混じっていて、マダムが「これはいいわね」というのもピリッと効いてる。
優勝、もしくは優勝に絡むネタには必ずフックとなる言葉が潜んでいる。かもめんたるの「あれ?マネキン?」「ピエロのプライド」にそれを感じた。二本目の「家来」の一言でほとんど優勝を決定的にしたと思う。ネタの順番もよかった。
 
天竺鼠、独特なシュールコントの世界、嫌いじゃない。
一本目「踊る寿司ネタと子ども」、よくこんな振り切ったネタで決勝に臨んだな、というその心意気が素晴らしい。ダンスが中途半端なうまさなのもいい。
二本目、普通のコントっぽい出だしに面食らったが、後半は前半のコントの設定を無に帰すSE使ったベタなネタ。
コントのストーリー性を茶化すようなメタコント的なネタは個人的には好み。
けれども、こういうのはなかなか普遍的な評価は得にくい。
川原(坊主でひげの人)がネタ後も振られればボケてたところに好感を持つ。
 
アルコ&ピース、一本目「精子と卵子」のネタはゴールデンで大丈夫なのか?とヒヤリとさせつつ期待させるも、ラストは「ライフ・イズ・ビューティフル」といったオチでちょっとがっかり。
二本目、携帯を恋人に見立てるネタもうまいんだけども、もひとつ乗れない。この感じは、アンジャッシュの、ネタはよくできてるんだけども、逆に隙がなくていまいちツボにはまってこないというのに似ている。
あとは単に好き嫌いになってしまうが、どうも声と顔が苦手…
 
TKO、こうしたニューカマー発掘的なイベントに、大ベテランばかりが顔を並べるとさすがに面白みに欠けてしまうが、一組くらいなら逆に重み、というか緊張感あってよい。8組出場した中で、コントの定番のひとつでもあるキャラありきのネタを披露したのはTKOだけ。
無駄のない貫録のコント。ただ、一本目はほとんどホラーだったし、二本目もちょっとバイオレンスな感じだったので、優勝できるネタではなかった。残念。
 
ジグザグジギー、初見。ブサイクでも二枚目でもない、アクのないというか、いや華がない見た目のお笑い芸人のネタ、というのに興味がある。このコンビの宮澤(狼男を演じていた人)がそれにあたる。華がない、いや特徴がない芸人はむしろ逆にいろんなキャラを演じられるのではないか。そんな期待を持って見るが…
一本目「狼男か持病の発作か区別がつかない」ネタは、設定は面白かったのだけども、苦しみを引っ張ったわりにはその後の展開がも一つで尻すぼみ。
二本目、いわゆる天丼ってやつなんだろうか、延々とナイフを手放さない強盗の手を刑事が膝で蹴り上げるというのを繰り返す。終盤は蹴り上げるリズムに乗って歌い始めるという2700みたいなコントになる。動きや歌がもっとぶっ飛んだものでないとこの手のネタはちょっと退屈。
 
さらば青春の光、去年「いたとん」のネタが面白かったので少し期待。
一本目、夢のない労働者を見下すアマチュアロッカーが、自分の勤める工場の大先輩から「お前は俺たちのことどう思ってる?」と問い詰められるネタ、面白かった。かもめんたるの一本目のネタと同様に、夢を謳う若者が人生の酸いも甘いも経験したベテランに追い詰められるというもの。さらば青春の光のネタの方がよりリアリティのあるものになっている。その分やや弱かったか。
二本目、よいしょ上手な営業サラリーマンが顧客の取りだしたオカリナの価値を見定められずどうよいしょしていいか困るというネタ。これはこのネタの肝であるオカリナという選択が難しいところで、「ありそうでなさそう、なさそうでありそう」なラインを狙ったのだろうが、それが中途半端に見えてしまう。
一本目が面白かっただけに、二本目の伸びによってはもしかしたら…とも思っていたが残念。
 
それにしても今年はバラエティに富んだネタが見られてなかなか楽しかった。
たまたまかもしれないが、「夢」と「金」に絡んだネタが多く見られ、これってまさに売れない(売れたい)芸人の切実な思いがネタに反映されているんだろうな、などと思う。
しかしお笑いについては結局、なにが面白いか面白くないかは個人に由来してしまうから、単なる感想にしかならない。それでも「あんなのどこが面白いの?」というような見下すようなことは決して言いたくない。他人を笑わせるネタを作る人、演じる人を表現者としてすごいな、と思うのでなるべくよいとこを見つけたいのだ。まあ、それでもどうしても生理的、感情的な好き嫌いが出てきてはしまうのだが…
 
というわけで色々書いたけれども、個人的なベスト3は①かもめんたる天竺鼠③鬼ヶ島ということで、ってあれ?これ実際のベスト3だったっけ?