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船橋リズムセンター

「野に在って野に下らず、俗に在って俗に流されず」。こだわりなし、怒りなし、浅く、ぶれつつ、無着陸、、、

学園天国?な映画③〜「プロジェクトX」伝説の乱痴気パーティー

プロジェクトX」(2012・アメリカ)
日本では劇場未公開の、ティーンがパーティーで大騒ぎって話をPOVスタイルで描いた青春映画。
これは面白かった。
POVスタイルもまだこんなモチーフがあったんだな、と勉強させられる。

POVスタイルの映画についてまとめたこちら【主観映像】POV方式で撮影された映画まとめ【25本】 - NAVER まとめが非常に簡潔で、よいリストになっているので今後の参考にさせてもらいます。
しかしこのリストを見ていると、やっぱりホラーやオカルトとの相性がよいようで、その手の作品が多いが、その点この「プロジェクトX」はうまくニッチを突いていて他のPOV作品にアイデア勝ちしている。
「クロニクル」も超能力アクションと青春ものをうまく取り入れていて、確かに「うまい」んだけども、なぜだか思ってたほど乗れなかった…というのは機会があればまた別エントリで触れようかな。

いけてない高校生男子らが「伝説になるようなパーティーやろうぜ」と気合入れて人集めたら、収集がつかなくなって暴動に発展するという、コントロール不能な状態を目撃できる楽しさ。
警官が住民の通報で見回りに来て、それをやり過ごした後からの後半が特に楽しい。
火炎放射器を持ったヤクの売人が乱入してきて悪夢みたいになる流れもいい。現実なんだか虚構なんだか曖昧になっていく。
で、当然場はパニックになるんだけども緊張感ないし、誰も場を収めようという責任感も持ち合わせてないし、「やべえ、なんだこれ?逃げろ」ってノリが、POVのスタイルでうまく出てる。
登場人物の誰もが意図して起こしたわけではない、でも、知らぬ間にとんでもない事態になってしまった、という流れを無理なく受け入れさせる演出にグッと来る。

ただ、やっぱり主観映像ってつまんない。前半は正直ちょっとかったるい。
でもPOV作品って、この主観映像のつまんなさを折り込んで成立するもんだと思うから、別に頭から尻まで面白い必要もない。
でも、そこで無理にハリウッド的セオリーにのっとったストーリー(試練や葛藤を乗り越えて成長する、もしくは望みが叶う)をかぶせて、エンターテイメントにしようとするサービス精神がもたげる。

この作品だとラストの、幼なじみと恋人関係になるってベタな青春映画風味が人工甘味的な甘ったるさ。
パーティーのセキュリティガードを任された武闘派な少年たちが、「アタック・ザ・ブロック」の不良少年並みに暴れて、コミックリリーフ的に笑わせてくれるんだけども、これも脚本にメリハリ持たせるためにわかりやすく作られた映画的キャラっぽくて、ちょっとPOVの醸すリアルさとはちぐはぐな感じがする。

POVスタイルも全編それで通すにはやっぱり限界があって、こうしたフックは必要なんだろう。

それにしてもパーティーの臨場感!
こんな乱痴気パーティー、現実に行く機会なんてまずないんだから、その場の雰囲気を少しでも味わえたら、まあ、楽しいじゃないか、と。