読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

船橋リズムセンター

「野に在って野に下らず、俗に在って俗に流されず」。こだわりなし、怒りなし、浅く、ぶれつつ、無着陸、、、

学園天国?な映画④〜「小悪魔はなぜモテる?!」〜エマ・ストーン、モテない男を救済

小悪魔はなぜモテる?!」(2010・アメリカ)

 

ハスキーボイスがチャーミングなエマ・ストーンのプロモーションビデオかと思うほど、彼女の魅力が詰まった作品。

 

親友の前で「処女を捨てた」と見得を張ったばかりに、噂は膨らみ、一夜のうちに学校一のアバズレ女に下落(昇格?)してしまった主人公オリーブ。望んだわけでもない屈辱のレッテルを、むしろ逆利用して高校生活を乗り切ろうとするオリーブの元に、次から次へと「セックスをしたということにしてほしい」とモテない男たちから依頼が舞い込む。根の優しいオリーブはそれを断れず…

 

というなかなかひねった脚本が面白い。

作品中でも触れられているけども、ホーソーンの「緋文字」を下敷きにしている。というがこの「ザ・アメリカ文学の古典」は当然未読。作品の中で生徒たちがバカにしていたデミ・ムーア版の映画も勿論観ていない。

ちなみにWikipediaから抜粋すると、

17世紀のニューイングランド(主にボストン)のピューリタン社会を舞台に、姦通の罪を犯した後に出産し、その父親の名を明かすことを拒み、悔恨と尊厳の内に新しい人生を打ち建てようと努力する女性ヘスター・プリンの物語を描いている。この物語を通じて、ホーソーンは神の赦しと律法主義罪悪についての問題を模索している。

 

高校(学校)という共同体において、自らの身の置き所をうまくポジショニングできないと、屈辱と辛酸の日々を送らねばらないというシビアな現実社会を反映していながら、深刻にならずにコミカルな娯楽作としてうまく仕上げている。


進んでアバズレ女を演じながらもマイノリティ男子を救うオリーブとは対照的に、模範的で敬虔なクリスチャンの生徒会長マリアンヌは自分の信条に合わない人間を高圧的に否定する。ところが相手が改心したかと思えば、手のひらを返して、まるで無二の親友のように接してくる。

なにも高校の中だけに限らないが、いかに人はうわべで判断し、うわべに騙されるか。

一度アバズレ女というレッテルを貼られたら、それを否定したってどうせ信じてもらえない。ならいっそアバズレ女でいてやる。

オリーブのこのたくましさ。

エマ・ストーンは下手したら戦うフェミニストみたいになりそうなこのキャラを、たくましさにキュートさをプラスして演じている。


ウィル・グラック監督の作品は初見なのでよく知らないが、セックスをモチーフにしていてドロドロとしてもおかしくない、シニカルな題材を、爽やかな青春映画に仕上げた手腕はなかなかのもの。

勿論エマ・ストーンの魅力も大いに貢献しているけれども。


ただ、余計な難癖かもしれないが、逆にその青春映画っぽさが、このテーマにはとってつけたような感じがしないでもない。

あれだけモテない男たちに手を貸しながら、最後は二枚目な幼馴染と恋人関係になるって、「なんだよ」って感じ。

たまたま断りきれなくてアバズレ女を演じてしまったけども、やっぱり私は普通の女の子、っていうオチがね。

いや、爽やかでいいな、とも思うけど、個人的にはアバズレ女の誤解が解けない終わり方が好き、という好みの問題。


所々80年代青春映画へのオマージュがあるらしいが、その辺りは今勉強中。

(トッドが窓の下でスピーカーを掲げるシーンの元ネタ「セイ・エニシング」はこないだ観た)

「緋文字」と80年代青春映画を接続させて、現代社会への批評を織り込んだ作品、という観点での詳しいレビューは自分にはできないし、きっと適切な人が他にいると思うので、そういうことは書かない(書けない)。


しかしエマ・ストーンは、モテない(さえない)男に優しい役ばかりだな。「スーパーバッド」「ゾンビランド」、あ、「アメイジング・スパイダーマン」まだ観てなかったな。

Easy A Official Trailer #1 - (2010) HD - YouTube