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船橋リズムセンター

「野に在って野に下らず、俗に在って俗に流されず」。こだわりなし、怒りなし、浅く、ぶれつつ、無着陸、、、

徒然アメリカンコメディ①〜才人ベン・スティラー〜「ズーランダー」は傑作!

アメリカのコメディアンはなかなか日本では認知度が上がらない。

テレビのバラエティが好きというくらいの一般の人ならともかく、お笑い芸人などでも、好きな芸人、コメディアンとしてアメリカのコメディアンを挙げる人というのを、知らない。
かくいう自分も、どれだけアメリカンコメディに通じてるんだ?と問われれば、決して胸を張れるわけではない。
 
 
けれどもベン・スティラーのことはもっと知られてもいいんじゃないか、と。
ああ、知ってる、夜の博物館で恐竜とかモアイ像に追っかけられたりしてる人でしょ、というのも確かにそう、でも「ナイト・ミュージアム」や「ミート・ザ・ペアレンツ」の人のよさそうなお兄さんだけがベン・スティラーの魅力の全てではない。
 
 
ここのところ彼の監督作を処女作「リアリティ・バイツ」から、「ケーブルガイ」、「ズーランダー」と再見してきたけども、なんだろう?彼の人脈の広げ方というのか、アメリカンコメディ界で自分なりのポジションを獲得するための経験の積み方、に感心してしまうのだ。
という言い方はあまりにも高みからの物言いだろうか?
 
 
久し振りに観た「ケーブルガイ」が、アメリカンコメディ史において非常にエポックメイキングな作品だというのに今更気付いてびっくりしたのがきっかけ。
だって、主演にジム・キャリーを迎えてて、ジャック・ブラックが共演してて、製作にはジャド・アパトーが参加してるのだ。
今やアメリカンコメディの影の立役者ジャド・アパトーの名前がここにあるとは!
これがどれだけ凄いことなのかがわかるほどにはアメリカンコメディに通じてる。
 
 
当時脂ののりまくっていたジム・キャリーと、まだアメリカンコメディの屋台骨を支えるにはやわすぎたベン・スティラージャド・アパトーがここで交わっていた。
これはこれで興味深い。
でもここでは深入りしない。
 
 
「リアリティ・バイツ」「ケーブルガイ」は正直まだ、ベン・スティラー=監督といえども、勉強してる身ですから、という感じがしないでもない。
ところが3作目「ズーランダー」のはじけぶりはどうだろう?
これが2001年の製作。90年代はこの作品のための修行期間だったんだろうか?と考えたくなってしまう。
おそらく当代一のコメディアンジム・キャリー)やコメディ監督(ファレリー兄弟、ジェイ・ローチ)の技を吸収し、気の合う仲間(オーウェン・ウィルソンジャック・ブラック、ヴィンス・ボーン)を増やしていったんだろう、と。
 
 
「ズーランダー」は男性モデル業界を皮肉ってる、といってもそんなのはうわべの話で、徹頭徹尾ナンセンスで通してるのが素晴らしい。
ほんと、ラストのズーランダーの決め顔"マグナム"には感動してしまうのだ。
嘘偽りのない傑作!
 
 
決め顔が全て同じというのは、実はベン・スティラー自身の芸の幅の狭さをパロディにしてるのでは?とも思う。
だけれども、むしろそれを逆手にとってギャグにしてしまったところが、彼の凄さであって、芸の幅の狭さを自覚してるからこそ、一流のコメディアンと仕事をしていただけるところをものにし、また、多くの気の合う仲間とチームプレイで笑いを作るのだろう。
 
 
気さくなお兄さんの振りして、実はコメディアンとしての自身の実力に自覚的で、最も自分が活きる場を作るプロデュース力に長けた才人なのである。
 
 
なんだかけなしてるようにも取れるかもしれないが、それは自分の文才の拙さのせいである。
 
 
「トロピック・サンダー」はちょっと予算が多過ぎたきらいがするが、これは2000年代の「サボテン・ブラザース」として嫌いになれない。
 
 
ともかく新作「LIFE!」が楽しみなのだ。
 
 
 
終わり