船橋リズムセンター

「野に在って野に下らず、俗に在って俗に流されず」。こだわりなし、怒りなし、浅く、ぶれつつ、無着陸、、、

スクリューボールコメディ入門〜「赤ちゃん教育」「ヒズ・ガール・フライデー」「或る夜の出来事」

コーエン兄弟の「未来は今」や「ディボースショウ」にはスクリューボールコメディへのオマージュが込められてる、というようなことをどこぞの解説で読んだような気がしていて、いずれ観なければいけないと思っていたのだけども、ようやく手を出し始めた。
スクリューボールコメディ入門」などとタイトルをつけてるけども、このエントリは手ほどきするものではなくて、自分がその門を叩いた、というような内容である。


Wikipediaで調べると、スクリューボールコメディは「主に1930年代から1940年代にかけてアメリカで流行したロマンティック・コメディ群を指す。その特徴は、常識外れで風変わりな男女が喧嘩をしながら恋に落ちるというストーリー」という説明。
また、「この時期にはヘイズ・コードと呼ばれる映画製作倫理規定によって性的描写が厳しく禁止され、男女の肉体的な愛は一切描かれなかった。むしろそこに行き着くまでの長い道のりを面白おかしく描いたのである」ともある。
ひとまずこの程度の予備知識だけを頭に入れておいて、あとはこのジャンルの代表作といわれてるものを観ていこう、と。


赤ちゃん教育 [DVD] FRT-117

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とにかくハチャメチャ。ほとんどコント。これが70年以上も前の作品ということに驚く。
キャサリン・ヘプバーン扮する富豪の娘はわがまま放題、ケイリー・グラント扮する博物館の助手はそんな彼女に始終振り回されっぱなし。2人のキャラが極端過ぎてイライラしてくるほど。
これだけのスラップスティックをコメディアンじゃなく俳優が演じてるのが面白い。
あとは動物。ハングオーバー」の虎も霞む活躍を見せる豹にも驚くが、犬もまたいい演技?
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ヒズ・ガール・フライデー [DVD] FRT-216

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ケイリー・グラントは「赤ちゃん教育」での臆病で頼りない役柄とは打って変わって、まくし立てるまくし立てる。口先だけで世渡りする剛腕というより剛口編集長を演じる。
それに対するロザリンド・ラッセル演じる敏腕記者も負けじと言い返す。激しい舌鋒戦。
赤ちゃん教育」では登場人物が振り回されてるのを楽しんで観たが、こちらは観る側が振り回されるのを楽しむ感じ。
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そしてもう一本、スクリューボールコメディの元祖とも言われている、1934年のアカデミー賞を総ナメにしたフランク・キャプラ監督「或る夜の出来事」。

或る夜の出来事 [DVD]

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これが一番Wikipediaの説明にはぴったしくる。つまり「常識外れで風変わりな男女が喧嘩をしながら恋に落ちるというストーリー」。
腕はいいが傲慢さゆえにクビを言い渡された新聞記者にクラーク・ゲイブル、父親の束縛から逃げ出す富豪の娘にクローデット・コルベール
ロマンチックコメディの教科書ともいえる展開。
互いに互いを利用するつもりで、最初は反目しながらも次第に惹かれあっていく。
毛布を「ジェリコの壁」(「旧約聖書」の「ヨシュア記」に出てくる。堅固な壁の意)に見立てて寝室を分けるエピソードが、最後にポッと頬を赤くさせるようなオチに繋がってたりするのも、なんだかたまらない。
ヒッチハイクのベタな展開も好き(親指振るクラーク・ゲイブルがかわいらしい)。
なるほど、あらゆるロマコメの要素はここに端を発してるのかも、と。
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或る夜の出来事」を観ると、「赤ちゃん教育」や「ヒズ・ガール・フライデー」が実はかなり実験的なんじゃないかと思える。
まだまだスクリューボールコメディ道は入ったばかり。
飽きっぽいので途中で中断するかもしれないが、ぼちぼち観ていこう、と。