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船橋リズムセンター

「野に在って野に下らず、俗に在って俗に流されず」。こだわりなし、怒りなし、浅く、ぶれつつ、無着陸、、、

学園天国?な映画⑨〜「ときめきサイエンス」「ブレックファスト・クラブ」

アメリカ学園映画の必修科目ジョン・ヒューズも、ひとまずこれで一区切り。


「ときめきサイエンス」、これを観られるのはティーンの特権。二十歳を越えたら普通は観なくてもよい映画ではある。

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さえない童貞男子2人が、妄想とコンピューターと雷の力でフランケンシュタインよろしく生み出したナイスバディの美女が、彼らを一人前の男にするべく指導する、という話。
でも、全然下品にならずに、陽気なお色気とギャグでゆるい気持ちで観られる。まあ、幼稚っちゃあ幼稚。SFぽい設定も雑。けれどもこの幼稚さや雑さが、80年代リバイバルを迎えてる今から見ると、またキッチュな輝きがあったりもする。


パーティーで羽目を外して一人前になるというのが、アメリカの伝統的通過儀礼なんだろうか?
「スーパーバッド」のプロットとそっくりで、この2作を比べるのも面白い。
成長することとは、何かを失うことである、というのをラストに示した「スーパーバッド」のあのオチに至るまでの学園映画の歴史に思いを馳せたりなぞ。
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「ブレックファスト・クラブ」、これは学園映画のマスターピース

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いまだに学園映画が"学内ヒエラルキー"云々で語られるのは、この作品に功罪があるのでは?と。
80年代の青春映画スター=ブラッドパックを代表する俳優が勢揃いしてるのもお楽しみ。


ジョックス、プリンセス、ナード、バッドボーイ、ゴス(というより不思議ちゃん)という普段の高校生活では、まず交流することのない5人が、土曜の補習でたまたま一日いっしょに過ごすことになり、対立しながらも徐々に打ち解け悩みを打ち明け合う。
ジョン・ヒューズお得意の「ある一日=特別な一日」ものでありながら、もう一つの十八番であるベタなギャグを極力抑えて、といってシリアスになりすぎることもなく、彼のフィルモグラフィー中最も観やすい。


本作がジョン・ヒューズの一連の80年代学園ものを象徴してるように思える。
すなわち、ティーンにとっての最大の敵は親に代表される大人であって、学内にどんなヒエラルキーがあろうと、共通の敵を持つことでティーンは連帯することができる、と。
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ジョン・ヒューズの描く学園は非常に楽観に満ち溢れている。
これは時代の雰囲気なのか、それともジョン・ヒューズの願望なのか、おそらく後者のような気がする。


学園映画というジャンルの確立のために、高校はティーンにとって社会の縮図のような試練の場でなく、むしろモラトリアムであって社会と対峙する最後の砦のようなものとして描く必要があったんじゃないか?などと考えてみる。