船橋リズムセンター

「野に在って野に下らず、俗に在って俗に流されず」。こだわりなし、怒りなし、浅く、ぶれつつ、無着陸、、、

「LIFE!」を観た!~期待通りの傑作!と言うつもりでいたのだが…

ようやく待望のベン・スティラー監督、主演作「LIFE!」を観てきた。

「昨年予告編を観てから期待に胸を膨らませていたのだが、案の定素晴らしい、傑作だった!」と鑑賞後の感想をすでに用意していたのだけども、正直そこまで手放しに絶賛できるほどでもなく、少々もやもや感が残った…

映画「LIFE!」オフィシャルサイト

 

 

実はそんな予兆も少しばかりあって、最初に予告を観たのは昨年の夏頃だったかどうだか忘れたけども、オブ・モンスターズ・アンド・メンの印象的な「dirty pose」に乗せて室内、ビルや通勤時の人の流れなどを卓越したカットでグラフィカルに捉えた映像に興奮したものだったけども、段々に新しい予告が内容を伝えると同時に、ホセ・ゴンザレスの壮大な「step out」に乗せて「人生にとって大事な何かを見つけよう」みたいなテーマが前面に出て、白々しさが鼻についてくる。

特に日本での宣伝はそれが強かったのでは?と。

 

 

で、実際観てみたら、なにも宣伝ばかりがそうした「人生賛歌」を誇張してたわけではなく、本編そのものも、まあストレートに「人生賛歌」だったわけだ。

別に「人生賛歌」を非難する気はないのだけども、あまりに芸がなさすぎてちょっとがっかりしてしまった。

 

 

結局、この作品を観ると、妄想の中ばかりで何かを成し遂げたような気になるのは“ネガティブ”なことで、一歩踏み出して世界を見れば何かが変わる、そうして成長することが“ポジティブ”なこととされている。

新社会人が学生時代に「どれだけ海外旅行で経験を積んだか」を競って自慢するのにも似たいやらしさを感じてしまう。

 

 

つつましくこつこつと自分の仕事を続けた人間を褒め称えるあのラストもね、ちょっとやり過ぎではないか、と。

なにかNHKのドキュメンタリーでも観ているような錯覚に陥る。

(とはいえ泣けるシーンではある)

 

 

とはいえ、ベン・スティラーは好きなコメディアンであり、アーティストでもあるので、好意的に捉えたい気持はある。

小柄な以外に際立った外見的特徴もなく、これといって突出した芸もないのに、アメリカのコメディ界の先頭集団で走ってきたベン・スティラーが、ここにきて自分の経験をウォルター・ミティに投影し、自分と同じように苦労したり悩んだりしてる人たちに向けて、ストレートに「自分を信じろ」「自分の目で見ろ」「変化を恐れるな」「一歩踏み出せ」とメッセージを贈る映画、というように取れなくはない。

そういう時期なんだろうか?

 

 

ストーリーやテーマには不満があるのだけども、映像や音楽(のチョイス)は素晴らしい。

 

LIFE! オリジナル・サウンドトラック

LIFE! オリジナル・サウンドトラック

 

 

グリーンランドアイスランドアフガニスタンといったロケーションはどれも大画面で観るのにふさわしい雄大さ。

ケルト風の音楽がその雄大さをさらに盛り立てる。

こういうセンスをベン・スティラーには、ぜひ次回作(なのかどうかわからないが)「ズーランダー2」で大いに発揮してもらいたい。

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しかしベン・スティラーデヴィッド・ボウイが好きなんだな…