船橋リズムセンター

「野に在って野に下らず、俗に在って俗に流されず」。こだわりなし、怒りなし、浅く、ぶれつつ、無着陸、、、

徒然アメリカンコメディ⑥〜ジャド・アパトー監督作を観た〜腐れ縁を温かく描く

ここ最近ジャド・アパトー監督作をゆるく集中的に観た。
中には再鑑賞のものも。
どれも下ネタたっぷりのコメディタッチのドラマなのに、尺だけは超大作級で120分オーバーばかり。
なのに、不思議と飽きずに最後まで引きつけられる。
どれも良作。


観た順に、まず、「ファニーピープル」は、邦題が「素敵な人生の終わり方」か。

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難病を患った人気コメディアンにアダム・サンドラー、その付き人にセス・ローゲン
この2人のブロマンスもの。
ブロマンスというのは、「ブラザー」+「ロマンス」で、男同士の友情といったとこ。
正直、アダム・サンドラーが苦手なので、アパトー作品の中では一番退屈してしまった。
これだけ観ると、アメリカのスタンダップコメディアンはみんな下ネタと人種ネタばっかなのかな、と思ってしまう。


「40歳からの家族ケーカク」。
ちょうど主人公夫婦と同世代なのもあり、身につまされる。
子育てからそろそろ解放されようとする夫婦が、これからの幸せのために生活を見直し始めるという。
リンクレイターの「ビフォア・ミッドナイト」と併せて観るのも面白い。
アパトーは腐れ縁を温かく描く。


40歳の童貞男」は完全に真っ当なラブコメ

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確かに下ネタ多いし、同僚らの余計なお節介シーンは不要なほどあるけど、そこがアパトー節でもある。
しかしこれだけ下ネタを入れながら、最後はほんわかとしたラブコメでまとめるあたり、ちょっと他に同じ芸当できる人がいないんじゃないか。


「無ケーカクの命中男」。

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アパトー作品の中では一番好き。
下ネタもブロマンスもリアルな夫婦もあり、成長の物語であり、ラブストーリーでもある。
そして何よりアパトーギャングと呼ばれる、アパトー組俳優の豪華共演も楽しい。
編集にもたっとしたとこもあるけど、アパトー節がバランスよく発揮されてる。
たった一回のゆきずりのセックスで妊娠してしまったアリソンとその相手ベンを、アパトーは非常に温かく描く。
もはやファンタジーとすら思えるほど。


アパトー作品には腐れ縁という言葉がピッタリくる。
コミュニケーション不全には決して陥らず、友情とか絆とかいうほど強い繋がりも感じさせない。
ただなんとなく離れないで歩む関係、というのを普通の人生のよくある出来事の中に描く。
で、それだけじゃ退屈なドラマになってしまうところを、映画的なアクションとして下ネタを入れてるんじゃないか、と。