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船橋リズムセンター

「野に在って野に下らず、俗に在って俗に流されず」。こだわりなし、怒りなし、浅く、ぶれつつ、無着陸、、、

徒然アメリカンコメディ⑨~「アメリカン・パイパイパイ!」「ドリンキング・バディーズ」

最近観たアメリカンコメディを2本ご紹介。

まずはオリジナルメンバーが久し振りに顔をそろえた「アメリカン・パイ!」シリーズの正統的続編「アメリカン・パイパイパイ!完結編 俺たちの同騒会」。

 

アメリカン・パイパイパイ! 完結編 ~俺たちの同騒会~ [DVD]

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冴えない童貞男子の頭のなかはエッチなことだらけ、という下ネタギャグ満載のしょうもないストーリーで人気のシリーズも、オリジナルメンバーが最後に揃った3作目から9年が経過。

その3作目では主人公のジム(ジェイソン・ビッグス)が童貞を捧げたミシェル(アリソン・ハニガン)と結婚してしまったのだから、もうこのシリーズも打ち止めだろう、と思ったらまさかの続編。

さすがに皆10代のときのような、なにがなんでもセックスする、彼女をモノにするといったギラギラさはなくなったものの、いや、それこそがこのシリーズのギャグの核だっただけに、物足りなさは否めない。

唯一ショーン・ウィリアム・スコット演じるスティフラーだけが汚れ役を一身に請け負って頑張るも、どこか空回りというか、寂しさを感じる。

 

 

ジムを始め仲間たちはみなよくも悪くもピュアな大人に成長していて、セックスレスに陥った妻とまたセックスしたいとか、高校時代に思いを寄せた彼女といっしょになりたいとか、くよくよ悩む。

実際に30代半ばになったオリジナルキャストの面々は、皆それほど華やかなキャリアを築けていないせいか、もはやそうした悩みをギャグとして笑い飛ばせるような勢いのある演技ができず(そう見える)、どことなく表情などに悲哀を感じさせてしまう。

それが作品全体をキレのないエロチックコメディにしてしまっている。

まあ、「アメリカン・パイ!」シリーズが好きだった人には、「懐かしいなあ」とは思えるけども、これといって面白味はない。

バカでエロくていられるのは10代の特権なんだろうな。

 

 

ミーナ・スバーリが驚くほど老けていて、ああ「アメリカン・ビューティー」の頃の魔性のキュートさはどこへ…?

 

 

「ドリンキング・バディーズ 飲み友以上、恋人未満の甘い方程式」。

これは拾い物!

アダム・ウィンガード監督の「ビューティフル・ダイ」や「サプライズ」に出演していたジョー・スワンバーグが脚本・監督を務めたラブコメ

 

 

 

ビール醸造会社の紅一点管理職ケイトとそこに勤めるルークとの、限りなく恋人に近い友達関係を描いている。

お互いに恋人がいてダブルデートまでするんだけども、ケイトとルークは恋人といるよりも2人でいたほうが楽しいし、しっくりくる。

話自体はそれほど波乱はなく、仕事後の同僚らとの飲み会やダブルデート、彼と別れたケイトの引っ越しなどが、いかにも日常的に綴られる。

 

 

作品のトーンはシリアスにならず、ケイトとルークの関係は結局最後までつかず離れずのままで、映画的な悲劇やハッピーエンドを拒否してあくまでライト。

非常に観ていて心地よい。

ストーリーもさることながら、俳優らのリラックスした演技や大胆に省略する編集なども作品のライトなトーンに大きく貢献している。

 

 

好きなシーンは夜の海辺。

焚火をしながらビール飲むって最高だぜ、って振りがあって、次のカットではもう焚火の前でビール飲んでるという繋ぎにグッとくる。

普通なら焚火を熾すくだりをいれたくなるとこだろうに、そこをバッサリ切る辺りに、なんというか信頼感が増す。

ラストの喧嘩して気まずい二人の、無言のちょっと照れくさいやりとりも微笑ましいいいシーン。

 

 

あとなんといってもオリヴィア・ワイルドアナ・ケンドリックの二人がとてもキュート。

オリヴィア・ワイルドの乱れすぎない酔い方とか、アナ・ケンドリックの献身ぶりとか。ちょっと男性側の理想を反映し過ぎじゃないか?とも思うが。

 

 

ジョー・スワンバーグはこれから要注目の監督。

アダム・ウィンガードよりよっぽど才能がありそう。

 

 

これは今年観たラブコメでは1番。

「おとなの恋には嘘がある」「ビフォア・ミッドナイト」も非常によかったけど、これは同年代を主役にしてるというアドバンテージがあるからな。

「ドリンキング・バディーズ」はお勧め。ぜひもっと多くの人に観てもらいたい。