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船橋リズムセンター

「野に在って野に下らず、俗に在って俗に流されず」。こだわりなし、怒りなし、浅く、ぶれつつ、無着陸、、、

「ラウル・デュフィ展」を観てきた

アート

会期終了間近の「ラウル・デュフィ展 絵筆が奏でる 色彩のメロディ」@Bunkamura ザ・ミュージアムを観に行ってきた。(7/27で終了)

平日のお昼前、上品そうな女性客らで混雑。

開催概要&チケット情報 | デュフィ展 絵筆が奏でる 色彩のメロディー | Bunkamura

 

 

デュフィは19世紀末から20世紀初頭にかけて活躍したフォーヴィズムを代表する画家。「色彩の魔術師」と呼ばれている。

と、これはWikipediaなどで調べれば簡単にわかるデュフィのプロフィール。

ラウル・デュフィ - Wikipedia

この程度の知識もなく、ただチラシに使われてた、もしくは電車の中吊り広告なんかで見たパステル調の明るい画調に誘われて足を運ぶ。

 

 

パステル調にどうも弱い。

絵画というと絵具を厚く塗り重ねたような重厚な雰囲気のものばかりがもてはやされている、と勝手に思い込んでいる。

それが悪いとは言わないけども、そんな中でパステル調の醸す「喫茶店の壁に掛けられた絵」「小学生女子のファンシー文具」「当たり障りない絵葉書」といった雰囲気が、絵画(アート)の世界では逆にパンクに感じられたりする。

というのは少し無理があるか。

でもパステル調の弱い、淡い感じが琴線に触れる。



1900年前後の初期、マティスの「豪奢、静寂、逸楽」に衝撃を受けたという頃の作品から始まり、ファッションデザイナーのポール・ポワレと共同でテキスタイルデザインなどを行っていた時期を経て、1920〜30年代の輝かしい時代へ、という流れが、デュフィ初心者には とてもわかりやすい。

作品も、こう並べられると、確かに初期は「上手いアマチュア」というのか、まだ垢抜けない感じなんだけども、いろんな技法を吸収し、時代の波にもまれ、段々に洗練され、独特の味が出てきている、というのが感じられる。

オーソドックスなんだけど、よい構成だと思う。



20世紀初頭を代表するファッションデザイナーで、ビジネスの才覚にも秀でていたというポール・ポワレと仕事をしているというのが興味深い。

画家という枠には収まらない活動は、デュフィの個性なのか、それともこの時代特有のものなのか?

1920年前後に関心のある身には、今後調べてみたいところ。



今回の展示で一番グッときたのは、「馬に乗ったケスラー一家」というイギリスの大地主一家の肖像画。

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馬の色に空の色が反映されてるというのもヘンだけど、妙に上の方が空いているのも気になる。これは画集やネットで観てもあんまりわからないかもしれない。

夫婦は中心に威厳を持って描かれてるけど、子どもたちは周りでてんでバラバラの方を見てるのもなんかヘン。

観るほどに惹きつけられてしまう。



もうひとつ「ポール・ヴィヤール博士の肖像画」、これも面白い。

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肖像画なのに奥さんの顔はなんだかぼんやりしてるし、肝心の博士も背景の壁に溶け込んでしまっている。

なんだこれ?



晩年の花の静物画は達観したような味わいがあって、ジワっとくる。

逆につまんないな、と思ったのは裸婦画。

デュフィはあまり女の人を好きじゃなかったんじゃないか。

女体をモチーフにしてるだけ、といったどこか生真面目な印象。



こういう真面目くさった一面がありながら、おそらく頼まれた仕事のはずの肖像画では肖像画らしからぬ大胆な表現が見られる。

このギャップが妙に面白かった。