船橋リズムセンター

「野に在って野に下らず、俗に在って俗に流されず」。こだわりなし、怒りなし、浅く、ぶれつつ、無着陸、、、

7月に読んだ本いろいろ〜アメリカと映画のテーマは変わらず〜傑作「こちらあみ子」!

こちらも恒例7月の読書まとめ。

映画観たり、遅読なのもあり、月にせいぜいこれくらいしか読めない。

積ん読が増えるし、年頭に決めた課題図書にはなかなか手が付けられない…



7月も引き続きテーマとしてはアメリカと映画。

フィッツジェラルドの未完の遺作「ラスト・タイクーン」は1920〜30年代のハリウッドの映画プロデューサーを主人公に、彼の栄華と没落を流麗な文体で描く。

おそらくかなり長大な大河小説(フィッツジェラルド流の)になったんだろうと思わせる。

途切れ途切れ読んだせいか、作品世界に没入しきれなかったのが不肖なり…



「映画宣伝ミラクルワールド」は読み応え十分!

70〜80年代に映画館で映画を観ていた人には懐かしさとトリビアで胸と頭が満たされる。

小学生の時に千葉や松戸の映画館に観に行った同時上映の組み合わせとかいろいろ思い出して楽しむ。

いとこと春休みだったかに観た「あぶない刑事」(続編だったかも)と「七福星」、トラウマを与えられた「ザ・フライ」と「ゴーストハンターズ」、「三人のゴースト」と「星の王子ニューヨークへ行く」も観たなあ、などと。



今村夏子の「こちらあみ子」は傑作!

これは久し振りにガツンとやられた!

おかしくもあり、哀しくもあり、恐ろしくもあり、大きな事件が起こるでもないのに人間のひいては世界の色んな相が代わる代わる顕われる。

またあらためてブログに書きたい。



2014年7月の読書メーター
読んだ本の数:8冊
読んだページ数:2080ページ
ナイス数:13ナイス

こちらあみ子 (ちくま文庫)こちらあみ子 (ちくま文庫)感想
これはすごかった!久し振りに小説読んでガツンとやられた!デビュー作とは到底思えない。虚実被膜のあわいに、海底で揺らめく海藻のように存在する。現実と虚構の区別がつかない主人公、いやそもそもここに書かれてることは現実なのか虚構なのか?心地よく煙に巻かれる。
読了日:7月31日 著者:今村夏子
こちらあみ子 (ちくま文庫)こちらあみ子 (ちくま文庫)
読了日:7月31日 著者:今村夏子
草の竪琴 (新潮文庫)草の竪琴 (新潮文庫)感想
カポーティ。少年が大人になるための通過儀礼、つかの間のモラトリアムを情緒豊かに、かつビターに描き出す。作者のアウトサイダーへの憧憬が感じられる。
読了日:7月26日 著者:トルーマンカポーティ
アメリカ人の半分はニューヨークの場所を知らない (Bunshun Paperbacks)アメリカ人の半分はニューヨークの場所を知らない (Bunshun Paperbacks)感想
政治、宗教、メディアなど固い題材ながらも、池上彰の解説のように教養を押し付けてくる感じではなく、世間話にしやすいゴシップぽさを戦略的にまぶして、アメリカのニュースだけでは見えてこない現実を浮かび上がらせる。笑わせながら身震いさせる、これはもうひとつの芸になっている。
読了日:7月19日 著者:町山智浩
映画宣伝ミラクルワールド 東和ヘラルド松竹富士独立系配給会社黄金時代映画宣伝ミラクルワールド 東和ヘラルド松竹富士独立系配給会社黄金時代感想
読み応え充分!映画と観客とを繋ぐ配給に焦点を当てた白熱のドキュメント。主に70年代末から90年代初頭にかけての、独立系配給会社の独創的な宣伝手法について、当事者らの声をもとに愛憎交えて書かれている。著者の熱意が伝わってくる文章がよい。小中学生の頃に観たあの映画この映画が出てくると、ノスタルジックな気持ちになりつつ、なるほどこういう舞台裏があったのか、と映画との邂逅について考えさせられる。良書。
読了日:7月17日 著者:斉藤守彦
ラスト・タイクーン (角川文庫)ラスト・タイクーン (角川文庫)感想
読むのに時間かけすぎて印象が弱まってしまった…20〜30年代のハリウッドを舞台に、大物映画プロデューサーの栄光と没落、愛と孤独を描く。魅力的かつまさにフィッツジェラルドならではの題材なだけに未完が悔やまれる。流麗で、省略の多い文章は一流のマジシャンの手つきを思わせる。でも語り手がコロコロ変わるので、何が語られてるのか度々見失う…
読了日:7月17日 著者:フィツジェラルド
サーカスが来た!―アメリカ大衆文化覚書 (同時代ライブラリー)サーカスが来た!―アメリカ大衆文化覚書 (同時代ライブラリー)感想
サーカス、ヴォードヴィル、講演旅行、もちろんハリウッドも。著者が楽しみながら書いてるのが伝わってくる。食えない詩人や作家が講演のドサ回りで食い繋いでいた、なんていうのは知らなかった。表には出てこないアメリカ裏文化史。
読了日:7月4日 著者:亀井俊介
宇宙大オリンピック (SFロマン文庫 (19))宇宙大オリンピック (SFロマン文庫 (19))感想
タイトルがやや的外れ。宇宙大オリンピック開催の裏で、人類とのファーストコンタクトを図る謎の宇宙人が現れ、友好関係を結ぶかどうか人々の思惑が入り乱れる、といった話。主人公の少年が非の打ちどころのない人物で、まあ、ジュブナイルものらしい潔癖さとも言えるのだが、ちょっと物足りない。円筒形で皿のような目玉が3つある、と描写される宇宙人がかなり異様だけども、面白味のない賢人振りで迫力に欠ける。もっと全体的にワクワク感が欲しかった…
読了日:7月3日 著者:ミルトン・レッサー

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