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船橋リズムセンター

「野に在って野に下らず、俗に在って俗に流されず」。こだわりなし、怒りなし、浅く、ぶれつつ、無着陸、、、

徒然アメリカンコメディ10~傑作「なんちゃって家族」!

今年劇場公開されたものの、あんまりひっそりとしてて陽の目を観たとは言い難い、でも傑作なのでぜひ多くの人に観てもらいたいアメコメを紹介。

 
 
「なんちゃって家族」。 
ドラッグディーラーがメキシコへヤクの受け取りに行くことになり、国境の検問を誤魔化すために旅行中の家族を装うことにする。
ところが集まったのが、ストリッパーに家出少女、世間知らずな童貞といった面々。
境遇の違う彼らが家族を演じながら、ヤクの密輸というミッションをこなすドタバタコメディ。
 
 
面白いコメディというのはたいてい話や展開はベタなものである。
本作もその例に漏れない。
それぞれに孤独な人間が、寄り集まって擬似家族を演じてるうちに心が通い合ってくる、というハートフルな展開を、アメリカ映画伝統のロードムービーをベースに繰り広げられる。
 
 
この土台の安心感。
下ネタギャグも多いが、それほどどぎつくはない。
一番おかしかったのが、童貞君に母親役のジェニファー・アニストンと姉役のエマ・ロバーツが代わりばんこにキスの手ほどきをするシーン。
童貞君はこの場面を片想いの女の子に目撃されて気まずくなってしまう。
それでも最後には童貞君のロマンスは成就される。
この童貞君の成長というサブストーリーが、作品にほどよい広がりと温かみを与えている。
 
 
監督のローソン・マーシャル・サーバーは「ドッジボール」でも、ジャスティン・ロング演じたピュアな青年(恐らく童貞)に同じようなロマンスを用意していたので、自己を投影しているのかどうかわからないが、童貞に思い入れがあるんだろう。

 

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ストリッパーで母親役を演じるジェニファー・アニストンは、健康的な色気ときびきびしたコメディエンヌぶりで作品を生き生きとさせている。
彼女の功績も大きいが、やっぱりなんといっても本作の功労者は主演のジェイソン・サダイキス
サタデー・ナイト・ライブ(SNL)」出身のコメディアンというのは知っていたけども、「SNL」をチェックするほどのアメコメ通ではないし、出演作品は日本ではまだまだ少ないので、正直それほど彼のことは知らなかった。
モンスター上司」でもあまり気にしていなかった。
 
 
どこにでもいそうなビジネスマンにしか見えない平凡なルックスがスルーさせてた原因だろう。
ところが本作ではそれを逆手にとって、「ドラッグディーラーが平凡なアメリカのお父さんを演じる」という、いわば裏の裏をつくような役柄なのが面白い。し、この作品にマッチしている。
決して突出した持ちギャグがあるわけではないけども、誰とでも絡める柔軟さを持ち合わせている。
ポール・ラッドジェイソン・ベイトマンビル・ヘイダーと並んで、地味だけどもなんかおかしいコメディ俳優としてこれからもっと注目していきたい。
 
 
まとめ。ハートフルな家族ものであり童貞君のロマンスもあるはずれないベタな展開と下ネタギャグとの調和、キャラ立ちした役柄を芸達者に演じた俳優、まさに優良アメコメ映画。