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船橋リズムセンター

「野に在って野に下らず、俗に在って俗に流されず」。こだわりなし、怒りなし、浅く、ぶれつつ、無着陸、、、

サイコスリラー3種盛り、または「仰天カルト・ムービー」3選

「血を吸うカメラ」をようやくDVDで鑑賞したのを機に、「絞殺魔」「狩人の夜」を再鑑賞。

いずれも精神異常者が主役のいわゆるサイコスリラー作品。

 

 

「血を吸うカメラ」。

 

血を吸うカメラ [DVD]

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この作品が公開された1960年はかの有名なヒッチコックの「サイコ」も公開されている。

その後、サイコスリラー、サイコホラー、サイコサスペンスなどと「サイコ」の冠詞は映画ジャンルにおいて便利に使われるようになった。

そんな「サイコ」と同時期に公開されていながら、知名度は「サイコ」には遠く及ばない埋もれた作品が「血を吸うカメラ」である。

 

 

幼児期のトラウマから、女性の恐怖する表情に病的な関心を抱く主人公マーク。

マークは女性を殺害する瞬間をカメラで撮影し、さらには遺体が発見されて騒ぎになる過程も記録する。

そうして撮影したフィルムを自宅の暗室で夜な夜な鑑賞しては悦に入る。

ところが同じアパートの階下に住む若い女性ヘレンと出会い、マークは彼女にだけは特別な恋愛感情を持つのだったが…

という話。

 

 

モノクロの「サイコ」とは対照的に、赤を基調にした鮮烈な色彩が印象的。

もうひとつ「サイコ」と比較すると、「サイコ」ではアンソニー・パーキンス演じるノーマン・ベイツは不可解なモンスター的なキャラクターだけども、「血を吸うカメラ」のマークは、ヘレンと出会うことで女性に対する屈折した思いに悩む人間として描かれている。

悩んだ末に選んだ最終手段が悲劇的。

サイコスリラーなんだけども切なくなる作品。

 

 

 「狩人の夜」。

 

狩人の夜 [DVD]

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これは再鑑賞。

「映画の必修科目01仰天カルト・ムービー100」にも紹介されている。

カルト映画というと必ず挙げられる一本。

 

 

刑務所で同房になった男から銀行強盗をして奪った大金のことを訊き出した詐欺師ハリーが、出所後その男の家を訪ね言葉巧みに取り入り大金を横取りしようとする。

ハリーは事情を知った男の妻を殺し、大金の隠し場所を知っている幼い兄妹を執拗に狙う。

 

 

幼い兄妹を主軸にして「ヘンゼルとグレーテル」のような恐ろしい童話といった趣で展開する。

ハリーの無表情に隠された執拗さ、冷酷さよりも恐ろしいのは、ラスト、ハリーが捕まったあと「青髭を吊るせ」とシュプレヒコールしながら町を練り歩く大衆だったりする。 

ハイコントラストなモノクロの映像が美しいのも魅力。

 

 

絞殺魔」。

 

絞殺魔 [DVD]

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 1960年代前半、「ボストン絞殺魔」として恐れられた連続殺人鬼アルバート・デサルヴォによる一連の事件を映画化した作品。

事件は警察の捜査ミスやデサルヴォ自身の精神疾患から、結局彼が「ボストン絞殺魔」であるという明解な物証がないまま、別の強姦事件でデサルヴォは裁かれた。

いまだにデサルヴォが「ボストン絞殺魔」であることに冤罪説を主張する人もいるらしい。

 

前半は何ら有力な手掛かりを得られず、事件に翻弄される警察を主軸に描く。

後半、打って変わって犯人であるアルバートを主軸に、彼の淡々とした犯行や内面の葛藤を描く。


 

 前後半で視点が切り替わったり、スプリットスクリーンがこれでもかと多用されていたり、回想と現実が混在したり、といった演出が斬新。

それらが奇を衒った感じでなく、さりげなく行われてるのに唸らされる。 



登場人物の誰かに感情移入させることなく、事件=事象を客観的に描く演出にグッとくる。

それでいながら、ヘンリー・フォンダ、ジョージ・ケネディトニー・カーティスといった俳優の味もしっかりと味わえる。

観る度に味わいの深まる傑作。


 

 この作品も先に紹介した「映画の必修科目01仰天カルト・ムービー100」 に挙げられている。



 「血を吸うカメラ」は見送りか、なんて思ってたら、発売されたばかりの「映画の必修科目10仰天カルト・ムービー100 PART2」のトップバッターにしっかり載ってました。

映画秘宝EX 映画の必修科目10 仰天カルト・ムービー100 PART2 (洋泉社MOOK 映画秘宝 EX|映画の必修科目 10)