船橋リズムセンター

「野に在って野に下らず、俗に在って俗に流されず」。こだわりなし、怒りなし、浅く、ぶれつつ、無着陸、、、

9月に観た映画あれこれ~ホドロフスキー、ハネケ、アルトマンなど

9月の映画鑑賞まとめ。



劇場では「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」「フランシス・ハ」「リアリティのダンス」を鑑賞。

ホドロフスキーは前に「エル・トポ」を観た気がするが、あまり覚えてないのは多分途中で寝てしまったからかもしれない。

しかし「リアリティのダンス」の強烈さを思えば、よく「エル・トポ」で眠れたもんだ、という気もする。

「リアリティのダンス」は聖俗、現実と虚構、生死が混淆としたマジックリアリズム的作品。

といってしまうとなんてありきたりな、と思ってしまう。

鑑賞直後は強烈過ぎて言葉にならないが、しばらくするとまた観たくなるような中毒性がある。

ホドロフスキー他の作品も観ないとな。



9月はミヒャエル・ハネケの「愛・アムール」「白いリボン」とアルトマン作品を課題にしてたので、なんとか時間を見繕って鑑賞。

ナッシュビル」は素晴らしかった!

ハネケは「白いリボン」より「愛・アムール」の方が好き。



それ以外では「灼熱の魂」がなかなか硬派で力強く観応えがあった。

以上です。



9月の鑑賞メーター
観たビデオの数:17本
観た鑑賞時間:2007分

愛、アムール [DVD]愛、アムール [DVD]
テーマが「老老介護」なのでハネケ作品では最も一般受けしそうな作品。とはいえ、社会が隠蔽したがるような陰部を、静かに厳しく切り取るハネケらしく、本作も老夫婦の美しい夫婦愛をほんわか描くなどということは一切ない。ほぼ全編、老夫婦の暮らすアパートを舞台にし、夫が徐々に様態の悪くなる妻を甲斐甲斐しく介護する様子を淡々と描く。妻の身体と脳の機能が徐々に衰えていくのに比例して、なぜだか夫の日常的な動作(歩く、座る、立つ、食べる)が恐ろしく見えてくる。夫が鳩を捕えるシーンはほとんどホラー。さすがハネケ。
鑑賞日:09月28日 監督:ミヒャエル・ハネケ
アンノウン [DVD]アンノウン [DVD]
なかなか面白い!主人公が異国で事故に遭い記憶を失くすという設定、もうひとりの自分が現われるという謎、ジャニュアリー・ジョーンズダイアン・クルーガーのいずれもキリっとした美女、サスペンス映画として申し分のない素材が揃っていて、しかも魅力的に調理されている。加えて元シュタージの老探偵を演じたブルーノ・ガンツが作品によい深みを与えてる。こういうサスペンス・アクションは嬉しいなあ。ジャウム・コレット=セラの新作「フライト・ゲーム」、やっぱ観に行かないと、と。
鑑賞日:09月27日 監督:ジャウム・コレット=セラ
ナッシュビル [DVD]ナッシュビル [DVD]
これは面白かった!途切れ途切れに観たのが惜しまれる。また機会を持って再鑑賞したい。アルトマンといえば群像劇、といわれているのがこれで納得。カントリーの聖地ナッシュビルを舞台に音楽と選挙(芸能と政治)に関わる人たちの生活と仕事がドキュメンタリー風に描かれる。ワイズマンのドキュメンタリーにドラマを持ち込んだような感じ。それぞれのドラマが決して収束するわけではなく、それなのにラストの選挙キャンペーンとしてのカントリーミュージックのライブイベントへ向けて、徐々に気持が盛り上がる。充実。
鑑賞日:09月23日 監督:ロバート・アルトマン
消えたシモン・ヴェルネール 【DVD】消えたシモン・ヴェルネール 【DVD】
フランス版「桐島、部活やめるってよ」というのが確かにしっくりくる。シモンという男子高校生が突然失踪する。級友らが様々な憶測をする中行方をくらます生徒がさらにひとり、またひとり…というミステリー風学園ドラマ。4人の登場人物の視点から失踪事件前後の数日を描き、少しずつ観客に謎を明かしていくという演出。パズルが埋まっていく面白さはあるけどそれ以上のものがない。そもそもの謎も案外拍子抜けでミステリーとしては物足りない。とはいえよく整理されてるし、紅葉の通学路やサッカー場などの撮影はきれいだし、危うい雰囲気も良い。
鑑賞日:09月23日 監督:ファブリス・ゴベール
ツイン・ドラゴン [DVD]ツイン・ドラゴン [DVD]
ツイ・ハークジャッキー・チェンのタッグというだけで胸が躍るようだけども、アクションはわりと地味。それよりもジャッキーが一人二役、それも生き別れの双子でひとりは腕っ節の強いチンピラ、もうひとりは世界的に有名な指揮者という設定がおかしい。「プロジェクトA」シリーズや「サイクロンZ」にも見られる“招かれざる客”が同じシチュエーションに居合わせるというギャグを、一本の作品にまでしてしまったのが本作ともいえる。ジャッキーのコミカルさは十分に発揮されている。
鑑賞日:09月23日 監督:ツイ・ハーク,リンゴ・ラム
フランシス・ハフランシス・ハ
夢見るアラサー女子のちょっぴりズレた日常をオフビートに描く。「ヤング≒アダルト」「ブライズ・メイズ」に対するニューヨークインディーズ的返答のようにも見える。フランシスが周りの人たちとくっついたり離れたりするエピソードを短いカットでテンポよく繋ぎ、そういうスケッチで淡々と終わるように見せながら、最後は皆が集まってささやかなカタルシス(=私も私なりに頑張ろう)を与える。ダンサー志望なのにあまり熱心にダンスするシーンはなく、街を走るシーンが印象的。「ハ」の理由は最後に明らかに。フランシスは体も大きければ…
鑑賞日:09月21日 監督:ノア・バームバック
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再鑑賞。「Mr.BOO」シリーズは(正確にはシリーズじゃないけど)、決して大笑いできるわけじゃないけど、独特のゆるーいテンポでユーモアとペーソスを感じさせる。マイケル・ホイの始終ひねたような、というかどこか人生を達観したような表情も魅力。ラストのマフィアに追われるドタバタシーンはわりと楽しいけど、それまでは今観るとちょっと眠い感じのテンポ。吹替で観れば、広川太一郎のダジャレ千本ノックで笑いどこ多いけど。ませたホテルのボーイにMr.BOOが「この、はなくそラーメン」って毒づくのが最高!
鑑賞日:09月20日 監督:マイケル・ホイ
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鑑賞日:09月20日 監督:ルパート・ワイアット
ザ・グリード [DVD]ザ・グリード [DVD]
スティーブン・ソマーズの「ハムナプトラ」前夜の監督作。テレ東「午後のロードショー」で鑑賞。モンスターの動きが速すぎて、モンスターに襲われる恐怖感はほとんどない。ソマーズ監督のスピード感こそ娯楽映画の要とでもいう哲学がすでにして確立されている。あまりおかしくないコミカルなやりとり、適度な色気、薄っぺらいキャラ、地味な俳優陣、とB級作品らしい体裁を整えている。惜しむらくは、3000人もの乗客をモンスターが血祭りに上げていく阿鼻叫喚の描写が少ないこと(もしかして地上波ではカットされてるとか?)。
鑑賞日:09月18日 監督:スティーブン・ソマーズ
ウォールフラワー [DVD]ウォールフラワー [DVD]
青春ものとしては可もなく不可もなく。音楽にスミスやデヴィッド・ボウイXTCなんかが取り上げられてるので、この辺好きな人にはグッとくるポイントがいくつかありそう。恐らく原作者の体験が基になっていて、その原作者本人が脚本・監督までしているという思い入れの強さ。その点において台湾の青春映画「あの頃、君を追いかけた」と通じる部分があり、個人的にはどうも気恥ずかしさを感じてしまう。フレッシュな若手俳優らが、それぞれに将来性を感じる伸び伸びした演技が魅力的。
鑑賞日:09月17日 監督:スティーブン・チョボスキー
プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ/宿命 [DVD]プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ/宿命 [DVD]
父と子二代にわたる因果なドラマを犯罪、正義、野心、貧富などのテーマと絡めて描く。140分と長尺なのは、3本分の話をオムニバス風に1本にまとめているから。全体を通して観ると、人生の逃れられない運命は環境によって作られる、という元も子もない話のようだけども、監督は子どもたちの将来を決して悲観してるわけではなく、観客に託している。ゴズリング、クーパー、デハーンと旬の俳優が皆魅力的。作品全体のトーンは変わらないが、各パートがクライムドラマ、社会派ドラマ、青春ものとジャンルものを意識した作りになっているのも面白い。
鑑賞日:09月16日 監督:デレク・シアンフランス
THE ICEMAN 氷の処刑人 [DVD]THE ICEMAN 氷の処刑人 [DVD]
なかなか見応えある実録クライムドラマ。家庭では良き父親でありながら、マフィアの元で20年近く殺し屋稼業を続けていた男の話。これが実話だというから驚き。エモーショナルにならずに抑制された演出で、殺し屋の男の生き様を丁寧に描く。節度のある演出と、殺し屋を演じたマイケル・シャノンの映画映えする色気にグッとくる。殺し屋の妻を演じたウィノナ・ライダーも悪くない。もうちょっと年増な感じでもよかったけど。
鑑賞日:09月15日 監督:アリエル・ヴロメン
ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーガーディアンズ・オブ・ギャラクシー
3D吹替、子どもと鑑賞。アメコミ映画を楽しむには、その世界観が予備知識として必要という偏見があったけども、アメコミの中でもかなり埋もれた存在である本作の面々による活躍は、予備知識なしでも楽しめる。ヒーローらしからぬ孤独なアウトローたちが行きがかり上手を組んで宇宙を救う、というプロットは少年マンガっぽくて興奮する。協力を誓ってからのラストの見せ場、ザンダー星での空中戦は迫力あるし、胸が熱くなる。が、個人的にメカニカルなガジェットやスペースオペラに萌えない質のようで、巷間の絶賛には違和感があるんだよなあ、と。
鑑賞日:09月14日 監督:ジェームズ・ガン
マッシュ [DVD]マッシュ [DVD]
初アルトマン。重傷を負った兵士たちと緊張感のない医師たちとの対比を、野戦病院を舞台にスケッチ風に描いた戦争コメディ。前線で正気を保つには、酒と女と賭け事は欠かせない。むしろ厳しい規律が非人間的にさせる。「ポリス・アカデミー」をやや高尚にした感じ、いや逆か、「ポリス・アカデミー」が「マッシュ」の低俗版だったのか。特にこれといったストーリーがないので散漫な印象。当時まだほぼ新人の俳優たちの自然体な演技、セリフ回しが魅力かな。シニカルなコメディは好みなんだけど、もひとつピンとこなかった。
鑑賞日:09月14日 監督:ロバート・アルトマン
白いリボン [DVD]白いリボン [DVD]
ミヒャエル・ハネケは嫌いな監督ではないけども、これはちょっとのれなかった…家父長制が染み付いた保守的な小さな村。表向きは穏やかなんだけども、牧師や医者、男爵などは権威を傘に女子供を虐げている。そうした鬱憤が次第に噴き出してくる。ストーリーは興味深いんだけども、どうにもモノクロの映像が退屈で眠くて仕方ない。良くも悪くもハネケは頭でっかちなんだよな、と。
鑑賞日:09月09日 監督:ミヒャエル・ハネケ
灼熱の魂 [DVD]灼熱の魂 [DVD]
今年「プリズナーズ」「複製された男」が相次いで公開されたドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の2011年監督作。ミヒャエル・ハネケを髣髴とさせる、モラルを揺さぶる衝撃のミステリー。宗派の対立がこうした歪な人間関係を生み、さらに混沌としていく。憎悪の連鎖が生む悲劇、愛と憎しみ、これだけ重厚なテーマをはらみながら、静謐な映像、抑制した演技で不快感なく、落ち着いた演出を見せる。久し振りにこんなに力強い映画を観たなあ。
鑑賞日:09月08日 監督:ドゥニ・ヴィルヌーヴ
絞殺魔 [DVD]絞殺魔 [DVD]
再鑑賞。やっぱり面白い。前半、なかなか容疑者を絞り込むことができない警察の焦りを、俳優の演技に頼らず、地道なシーンの積み重ねで表現。かと思うと、ラスト記憶を徐々に取り戻すアルバートは、トニー・カーティスの熱演をしっかり捉える。観るたびに色々な発見がある。傑作!
鑑賞日:09月07日 監督:リチャード・フライシャー

鑑賞メーター