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船橋リズムセンター

「野に在って野に下らず、俗に在って俗に流されず」。こだわりなし、怒りなし、浅く、ぶれつつ、無着陸、、、

11月に観た映画あれこれ~「6才のボク」「紙の月」「ションベンライダー」

11月はDVDでは、割と最近のオカルト系ホラーを中心にレンタルして鑑賞。

どれもひねりを利かせていて楽しめる。

唯一、トビー・フーパーの「悪魔の起源」だけがひどかった…

 

 

劇場では、リンクレイターの話題作「6才のボクが、大人になるまで。」と吉田大八監督「紙の月」の2本。

「6才のボク」はブログにも書いたけども、安易なドラマに流されず、しみじみとあとから胸に迫る青春映画または家族映画の傑作。

「6才のボクが、大人になるまで。」を観た~ごくごくありふれたことが後々の人格を、人生を形作っていく - 船橋リズムセンター

 

 

「紙の月」は、前作「桐島、部活やめるってよ」と同じくまた小説原作の映画化だけども、趣きは吉田監督の過去作「パーマネント野ばら」に近い女性映画。

道徳的に裁かずに、主人公の女性に夢を見させるラストにグッとくる。

 

 

ほかには相米慎二の「ションベンライダー」を初めて観たが、あまりにアナーキーで驚いた。

 

 

11月の鑑賞メーター


観たビデオの数:16本
観た鑑賞時間:1775分

ウィズネイルと僕 [DVD]ウィズネイルと僕 [DVD]
鬱屈した日々を過ごす貧乏役者の青春コメディ。ゲイムードが濃厚。女性の登場人物が1人も出てこない(正確にはカフェと田舎のシーンでおばちゃんが出てくるが)。全編薄曇りか雨模様で物憂げなグレーの色調に覆われてるが、2人のやり取りはコントそのものなので暗さはない。2人の青年がどちらも臆病なくせに尊大で自堕落で、たいして共感できる人物ではないのと、救われることも、さらにひどくなることもない終わり方が面白い。こういうのって青臭くなりがちだけど、ユーモアがその臭みを消している。佳作。
鑑賞日:11月30日 監督:ブルース・ロビンソン
ションベンライダー [DVD]ションベンライダー [DVD]
青春コメディなんだけど、いちご味とかチョコレート味とかわかりやすいテイストでは一切なく、複雑というかもう無茶苦茶。水責め、火あぶり、粉まみれと俳優は散々調理され、そのなぶられる様を長回しのカメラで執拗に追われる。この緊張感とそこから醸し出される詩情。近藤真彦の「ふられてBANZAI」に滲み出る少年少女らの演技とも私怨とも判断つかない感情迸る歌いっぷり。素晴らしくアナーキー
鑑賞日:11月25日 監督:相米慎二
ラスト・エクソシズム スペシャル・エディション [DVD]ラスト・エクソシズム スペシャル・エディション [DVD]
オカルト+モキュメンタリー。POVやモキュメンタリー隆盛の昨今、出るべくして出てきたアイデア。でも決してアイデア倒れせず、いかにもありそうなドキュメンタリーっぽい作りと、オカルトムードに満ちたサスペンス(悪魔はいない?いる?)とを違和感なく接合している。ただドキドキさせたいシーンで音楽入れてくるのはやや興ざめ。ラストのどんでん返しは、あれがないと作品全体として物足りない感は確かにあるけども、ちょっと唐突すぎる。「2000人の狂人」「脱出」「ウィッカーマン」に連なる。
鑑賞日:11月23日 監督:ダニエル・スタム
紙の月紙の月
期待が高かった分ずーっともやもやを抱えたまま観てたけど、ラスト梨花(宮沢りえ)と隅さん(小林聡美)との心情が一瞬リンクしてからの、決定的な別れにグッと持ってかれる。舞台が90年代とあって、トレンディドラマを意識したような美術や演出があって、これがどうも苦手だったけど、今にして思うとこれはユーモアだったのかも。一番ハッとしたのは、梨花が最初に銀行の金に手を出して化粧品を買うシーン。小林聡美のお局さんが新鮮でよかった。「パーマネント野ばら」もそうだけど、吉田大八監督は女性の強さ弱さを非常に繊細に描く。
鑑賞日:11月21日 監督:吉田大八
デッド・サイレンス [DVD]デッド・サイレンス [DVD]
う〜ん、イマイチ。全編を覆うブルーの濁った色調が、どこか安っぽい感じに見えてしまう。30分くらいの短編のアイデアを90分まで引き延ばしたようで、ちょっと間延び感がある。暗闇の向こう側や、人形フェチ、効果音の使い方など、ジェームズ・ワンならではのホラーへのこだわりは随所にあるけども、ユーモアが足りない分、厚みに欠ける。
鑑賞日:11月20日 監督:ジェームズ・ワン
ダークスカイズ ブルーレイ&DVDセット (2枚組)(初回限定生産) [Blu-ray]ダークスカイズ ブルーレイ&DVDセット (2枚組)(初回限定生産) [Blu-ray]
オカルトチックなホラーに見せて、実はアブダクションものという変わり種。宇宙人の標的にされた家族がじわじわと追い込まれていく様を、派手さを抑えて家族ドラマを軸に見せる。失業中の父か、思春期真っ盛りの息子のどちらかをもっとメインに据えたら、「テイク・シェルター」のような力強い作品になりえたかもしれない。もひとつ惜しい。
鑑賞日:11月19日 監督:スコット・スチュワート
6才のボクが、大人になるまで。6才のボクが、大人になるまで。
充実。6歳の少年メイソンが高校卒業するまでの成長を、家族や友達、恋人との関係を絡めてニュートラルに描く。ドキュメンタリーっぽい雰囲気を勝手に想像してたけど、撮り方もいたってニュートラルなところがかえって好感持てる。一本の映画で少年が大人になるまでの成長を観られるということで、これはもしかしたらリンクレイター版「ハリー・ポッター」なのかな?とも。
鑑賞日:11月18日 監督:リチャード・リンクレイター
悪魔の起源 ─ジン─ [DVD]悪魔の起源 ─ジン─ [DVD]
トビー・フーパーという同姓同名の別人が撮ったのかと思うほど精彩を欠いたオカルトホラー。低予算なのを開き直って故意に安っぽく作ったとしか思えない。90分弱でも長く感じる。30分くらいの短篇ならまだ観れる。ヒロインが美しかった以外にこれといって見所がない。残念…
鑑賞日:11月16日 監督:トビー・フーパー
ポゼッション [DVD]ポゼッション [DVD]
きれいにまとまってしまった感のある小粒なオカルトホラー。家族のドラマ推しなストーリー展開でやや中弛みがち。ラスト間際のラビによる除霊が唐突な感じ。どうも妙なバランスの脚本。雰囲気のある引きの画、陰影が印象的な画など撮影はなかなかよいだけに、ちょっと惜しい。
鑑賞日:11月15日 監督:オーレ・ボールネダル
武器人間 [DVD]武器人間 [DVD]
正直物足りない。造形の優れたフランケンシュタイン・アーミーたちにもっと活躍してもらいたかった。POV形式にしては、舞台となる時代のリアリテイが感じられず、あまりPOVにした意味がなかったのでは?カメラの撮影者がもっと異常で、博士がそれを上回る狂いっぷりだったら、もっと終盤無茶苦茶で面白くなったんじゃないかな、という気がする。ちょっと眠かった。
鑑賞日:11月12日 監督:リチャード・ラーフォースト
恋の渦 [DVD]恋の渦 [DVD]
1年ぶりくらいに再見。やっぱり面白い!最高!DQNの本音と建て前が入り乱れた恋愛模様が描かれているんだけど、ただそれだけが面白いんじゃなくて、登場人物がそれぞれに良い面(かわいい面)と悪い面(したたかな面)とを持ち合わせながら、きっちりキャラ立ちしてるのが素晴らしい。「うざい」「キレる」の緩急のギャグにも大笑い。4つの室内シーンで2時間を超える尺なのに最後まで惹きつける、それも決してエロシーンで持たせてるわけでもない。この脚本にはほんと脱帽。
鑑賞日:11月09日 監督:大根仁
ネオ チンピラ 鉄砲玉ぴゅー [DVD]ネオ チンピラ 鉄砲玉ぴゅー [DVD]
半グレ上がりのチンピラの成長を、ドライとウェットのバランスよく描いたヤクザ映画。前半の登場人物たちの描き方が、テンポよくて素晴らしい。あまりヤクザ映画観ないけど、怒号で覆われることなく、ひとりのチンピラの心の葛藤に焦点を当てているのが面白い。でも後半、不思議ちゃんの女と絡んでばかりになると、どうもこの湿っぽさは苦手だな、と。
鑑賞日:11月08日 監督:高橋伴明
死霊館 ブルーレイ&DVD(2枚組)(初回限定生産) [Blu-ray]死霊館 ブルーレイ&DVD(2枚組)(初回限定生産) [Blu-ray]
ディテールを積み上げてしっかり怖がらせてくれる実録オカルトホラー。「インシディアス」シリーズ同様、暗闇や些細な音を効果的に配して恐怖を盛り上げるジェームズ・ワンの手腕は健在。2つの家族、3人の母親のドラマを織り込んでいるので、少々もさっとした感は否めない。
鑑賞日:11月07日 監督:ジェームズ・ワン
バートン・フィンク [DVD]バートン・フィンク [DVD]
理想を目指してもがく自分勝手な劇作家が、自分の思うままにならないハリウッドという世界や、殺人鬼の住むホテルで現実を思い知らされる。コーエン兄弟の自虐ファンタジー。やっぱり好き。何回でも観たい。
鑑賞日:11月05日 監督:ジョエル・コーエン
アメリカン・ジゴロ [DVD]アメリカン・ジゴロ [DVD]
それほど古臭さは感じない。決してここでのリチャード・ギアは上手いとも、魅力的とも思えないけども、虚栄に彩られた主人公ジュリアン(リチャード・ギア)の生活が次第に剥げていく焦り、憂いを表現した撮影にグッとくる。
鑑賞日:11月03日 監督:ポール・シュレイダー
プリズナーズ [DVD]プリズナーズ [DVD]
半端ない重厚感。子を失った親の悲しみは倫理や信仰をも軽く踏み越えていくものなのだろうか?ストーリーはサイコサスペンスもののそれだけども、謎解きに重点を置いたエンタメにはせずに、極限状態に置かれた人間のギリギリの精神を静かに、じっくりと描く。2時間半は長いけど、惹きつけられて見応えある。
鑑賞日:11月02日 監督:ドゥニ・ヴィルヌーヴ

鑑賞メーター