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船橋リズムセンター

「野に在って野に下らず、俗に在って俗に流されず」。こだわりなし、怒りなし、浅く、ぶれつつ、無着陸、、、

12月に観た映画あれこれ~「ゴーン・ガール」「クインテット」「チェンジリング」など

2014年12月の映画鑑賞まとめ。

映画館での鑑賞は「ザ・レイド GOKUDO」と「ゴーン・ガール」の2本。

「ゴーン・ガール」は私的2014年間印象に残った10本に入る傑作。

「ゴーン・ガール」観てから「ファイト・クラブ」を観直してみたけども、「ファイト・クラブ」の頃は随分とギラギラしていたのだなあ、と。

デヴィッド・フィンチャーはまだまだこれから傑作を撮るのだろうな。

 

 

上記以外では、2014年に観た映画で面白かった作品を再見したり(「MUD」「ドリンキング・バディーズ」「インサイド・ルーウィン・デイヴィス」)、10月くらいから少しずつ観始めているロバート・アルトマン作品を観たり(「クインテット」「ギャンブラー」)。

 

 

印象的だったのは、アルトマンの「クインテット」。

終末を迎えた世界で人々がボードゲームに興じていて、そこに殺人事件が絡んでくる。

かなり「?」なストーリーで、決して「面白いよ」と他人にはお勧めできないけれども、妙に引っ掛かるものがある。珍品。

それとピーター・メダックの「チェンジリング」。

身の毛もよだつホラーというのは実は数少ないけれども、これは個人的にはそうしたホラー作品のひとつに数えたい一本。

階段の上に現われた車椅子にはほんとに背筋がゾクッとした。

ちなみにほんとに怖いホラー映画と問われたら、「サイコ」と「死霊伝説」を挙げることにしている。

ここに「チェンジリング」を加えると、どの作品にも共通するのが〝階段〟が印象的に撮られている、ということ。

〝ホラー映画〟と〝階段〟というテーマはなかなか魅力的。

 

 

12月の鑑賞メーター
観たビデオの数:18本
観た鑑賞時間:2033分

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若くて美しい(これが原題)少女、その存在がすでにして謎めいている、とでもいうようなオゾン流エロチックサスペンス風青春ドラマ。主演のマリーヌ・ヴァクトは不機嫌な表情と華奢な肢体で、イザベルが抱く自身の若さ、美しさへの戸惑いを表現する。観る側は、オゾンが彼女に注ぐ視線とダブらせて楽しむ。弟との近親相姦スレスレな関係も面白い。
鑑賞日:12月30日 監督:フランソワ・オゾン
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今年最初に劇場で観た映画。やっぱり面白い。少年2人の面構え、彼らを包む柔らかな光、ピックアップトラックの荷台で受ける風、川を滑るように走るボート。1カット1カットが映画的。少年のまま成長してしまったマッドは川に抱かれ神話の一部となり、エリスは出会いと別れを通じて大人へと成長していく。胸に迫る交差。
鑑賞日:12月29日 監督:ジェフ・ニコルズ
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男臭いイメージのある西部劇も、アルトマンが撮ると軟弱な人間臭いドラマになる。湯気の立ちこめる風呂場、雪に埋もれたくすんだ町、ランプの灯る薄暗い酒場などヴィルモス・ジグモンドの詩情溢れる撮影が魅力。
鑑賞日:12月28日 監督:ロバート・アルトマン
第15回東京03単独公演「露骨中の露骨」 [DVD]第15回東京03単独公演「露骨中の露骨」 [DVD]
鑑賞日:12月28日 監督:
サンドウィッチマン ライブツアー2012 [DVD]サンドウィッチマン ライブツアー2012 [DVD]
鑑賞日:12月28日 監督:
クインテット [DVD]クインテット [DVD]
アルトマンのディストピアSF。これは珍味。「猿の惑星」「ソイレント・グリーン」ほどの衝撃度はないけど、なかなか味のある作品。氷河期を迎えて滅亡しつつある世界、人々はなぜか命を賭したゲームに興じる。氷の世界のビジュアルと不穏な音楽にグッとくる。ゲームマスターを演じるフェルナンド・レイが、ブニュエル作品常連というバックボーンから醸すいかがわしさを存分に発揮。クインテットってゲームが気になる。
鑑賞日:12月26日 監督:ロバート・アルトマン
ラブポリス ~ニート達の挽歌~ [DVD]ラブポリス ~ニート達の挽歌~ [DVD]
映画のフリしたコント。コントにしても退屈。ピーズの曲がもったいなすぎる。
鑑賞日:12月25日 監督:坂田佳弘
死霊伝説 完全版 [DVD]死霊伝説 完全版 [DVD]
好き。私的恐怖映画ベスト3の1本。元がテレビ映画なので、やたら登場人物が多くて展開ものんびりなんだけど、画面から滲み出る色気にクラクラする。マースデン館に踏み込んでからのラスト30分くらいはとんでもなく美しい。
鑑賞日:12月21日 監督:トビー・フーパー
ドリンキング・バディーズ 飲み友以上、恋人未満の甘い方程式 [DVD]ドリンキング・バディーズ 飲み友以上、恋人未満の甘い方程式 [DVD]
鑑賞日:12月20日 監督:ジョー・スワンバーグ
インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌 [DVD]インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌 [DVD]
改めて観ると、これは全く当時のフォークシーンを描いてるわけではないのがわかる。やっぱりコーエン流アメリカ神話である。根無し草の男がギター一本を手に、猫に導かれ、行く末を見定めようとするも路頭に迷う。寓話めいたエピソードの一つ一つがバカバカしく楽しい。フォークシンガーとジャズマンと詩人の三人がシカゴを目指す不毛な旅と、ディズニーの「三匹荒野を行く」のギャグ。コーエン兄弟作品には珍しく血生臭さがないが、汚い言葉は溢れてる。特にキャリー・マリガン演じるジーンの罵倒っぷりが何度観てもおかしい!傑作!
鑑賞日:12月19日 監督:ジョエル・コーエン、イーサン・コーエン
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鑑賞日:12月18日 監督:ギャレス・エヴァンス
ファイト・クラブ [DVD]ファイト・クラブ [DVD]
久し振りに再見。フィンチャーのアンチ気質というより茶目っ気が弾けてる。謎が明かされるタイミングは唐突だし、マーラの存在はあまり活かされてないしとミステリー的な演出は成功してないが、今見直すとこれは完全にコメディなんだな、とわかる。ただフィンチャーはコメディ撮るのは苦手。フィンチャーにとってこの作品は、品良く体裁ばかり取り繕う世の中への若気の至り的な一撃なのかもしれない。スープの小便か子供向け映画に挿入したポルノの一コマ程度の悪戯と同様の。
鑑賞日:12月17日 監督:デビッド・フィンチャー
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「ゴーン・ガール」観て、未見だった本作を鑑賞。序盤、鋭利な編集でテンポよく話を進めるのは「ゴーン・ガール」にも引き継がれているのを確認。原作未読だけども、窮地に追い込まれているミカエルと孤独なリスベットが事件を通じて惹かれあうというサブプロットが本来なら作品をもっと温かみのあるものにしていたのでは?と。フィンチャーはあまりエモーショナルには描いてないが。前半の凍りつくようなイメージから、謎解きの進展とともに緩やかに氷解していくような画作りはさすが。
鑑賞日:12月16日 監督:デヴィッド・フィンチャー
ゴーン・ガールゴーン・ガール
ラストはちょっとモヤっとするけど、そこがデヴィッド・フィンチャーと思えば期待に違わぬ面白さ。ただ感想は書きづらい。ストーリーに触れればネタバレになる。「セブン」に近い全能感、無力感を考えさせられる作品ではあった。また愛についての映画でもある。結婚を考えてる恋人同士が観に行ったら、複雑な気分で劇場を出て行くことになりそう。ロザムンド・パイクはフィンチャーのしごきに懸命に応えてるような演技で見応えあり。ベン・アフレックはハマり役。あまりにハマってるので、ベン・アフレックのキャスティングがネタバレにも見える。
鑑賞日:12月13日 監督:デヴィッド・フィンチャー
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最後は思わずウルッとくる。魅力は女優陣(永作博美井上真央小池栄子森口瑤子)の演技と存在感。中でもやや粗削りだけども小池栄子がいい。それと「誘拐」をモチーフにして、女の幸せを考えさせるドラマへ持っていく脚本(というより原作)が面白い。(家庭のある男を、他人の子どもを)奪う女の人並みな幸せを描く、というなかなか挑戦的な題材。重厚なドラマなので丁寧に描けば2時間を超える長さになるのはわかるが、それでもちょっと長いかな。子どもや送り火(?)など撮影の難しい対象をドラマと違和感なく捉えていたのがよかった。
鑑賞日:12月13日 監督:成島出
チェンジリング [Blu-ray]チェンジリング [Blu-ray]
面白い!これは好き!心霊現象の起こる家に越してきた音楽家が、その謎に迫る。冒頭の悲劇にグッと掴まれる。序盤はやや眠い時代がかったオカルト風でこれはこれでムードがあって悪くない。中盤からミステリー的展開でグイグイ引き込む。俳優の顔が怖ければ、SEもやたらと怖い。グロも白塗りの霊もなしで、画面と音と小道具でしっかり怖がらせてくれるのが素晴らしい!車椅子にはほんと身震いした!
鑑賞日:12月11日 監督:ピーター・メダック
ゼロ・ダーク・サーティ コレクターズ・エディション(2枚組) [DVD]ゼロ・ダーク・サーティ コレクターズ・エディション(2枚組) [DVD]
鑑賞日:12月06日 監督:キャスリン・ビグロー
ザ・レイド GOKUDOザ・レイド GOKUDO
前作よりもストーリー性が上がり、特徴のあるキャラを配し、それでいてアクションも前作よりスケールアップし、バラエティに富んでる。期待に違わぬ出来!車内の密室空間で激しいバトルをしながらのカーチェイスシーンは特に興奮必至。カラオケ、汚職警官、バイオレンスと、レフンの「オンリー・ゴッド」との相似も面白い。赤や緑が印象的なビジュアルもどこかかぶる。アクションは凄いが、演技はやはりいまいちで、潜入捜査ものの緊張感はあまり感じられないのがやや残念。日本から参加したヤクザ役の3人もあまり活躍の場がないのも…
鑑賞日:12月04日 監督:ギャレス・エバンス

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