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船橋リズムセンター

「野に在って野に下らず、俗に在って俗に流されず」。こだわりなし、怒りなし、浅く、ぶれつつ、無着陸、、、

2014年に読んだ本いろいろ~2015年の私的読書スタイル~2014年印象に残った3冊

毎月初めに先月読んだ本のまとめをアップしているけども、今回は新たな年を迎えた節目で、まあ、昨年末に読書については年間ベスト的なものをやっていなかったのもあり、2014年のまとめという形にしてみる。

 

 

こうやってざっと見返してみると、「映画」「シナリオ」「アメリカ文学」「脳・心」「宇宙」といった興味ある分野を一応は追っていることがわかる。

2014年後半は年来興味を持ち続けている「郊外」のテーマで少しずつまた読み始めたりもしている。

残念だったのは、ジョイスの「フィネガンズ・ウェイク」とちくま日本文学全集に手をつけられなかったこと。

フィネガンズ・ウェイク」は本棚の目につくところに置いてはあるのだけども、やはりなかなか手が出せない。

ただでさえわけのわからなそうな内容なので、読むなら通勤時に細切れで読むより、時間をとって一気に読まなければいけないような気がしている。

それでも今年こそなんとか取りかかりたいものである。

 

 

読むペースは遅いのに、読みたい本はたくさんある。

いや、「読みたい」と思わされてしまう。

世間には本を面白く読むことのできる人がなんと多いことか。

あまり惑わされてはいけない。

今年はほんとに読みたい本を絞り込みつつ、ネット見たり、ツイッターしたりする時間を抑えて、それは時間の確保という意味もあり、同時に不用意に「面白そう」「読みたい」と誘惑されないようにして、自分の読書の時間を少しでも確保していければよいかな、と。

これが2015年の読書目標といったところだろうか。

 

 

ちなみに2014年に読んだ本で印象に残ったものを挙げれば以下の3冊。

 

ほかにも面白いものはあったけども、読み終わって「ガツン」ときたのはこの3冊。

特に「こちらあみ子」は素晴らしかった。

「こちらあみ子」でブログ1本書きたかったのに結局書けず終いだったので、また読み直して書けたらよい。

「こちらあみ子」を読むと、最近めっきり手つかずの現在進行形の日本文学にも面白い動きがあるんじゃないか、といろいろ読みたくなってくる。

こういう誘惑につい駆られてしまう。

さっき戒めをしたばかりだというのに。

己を知ること。あれもこれも網羅的に読むということが自分にできるのか?(できない)そもそも網羅的に読む必要が使命があるのか?(多分ない)

自身のペース、スタイルをわきまえて本を読むのが大事。

(そこをはずれたところでひょんな出会いがあることもあるのだけど…)

 

 

2014年の読書メーター
読んだ本の数:93冊
読んだページ数:20569ページ
ナイス数:138ナイス

シナリオ 2015年 01月号 [雑誌]シナリオ 2015年 01月号 [雑誌]感想
荒神」のエネルギー迸りっぷりがすごい。 たまたまかもしれないけど今号掲載の3本とも、すごく真っ直ぐで純な話だった。
読了日:12月25日 著者:シナリオ作家協会
なぜ世界には戦争があるんだろう。どうして人はあらそうの? (10代の哲学さんぽ3)なぜ世界には戦争があるんだろう。どうして人はあらそうの? (10代の哲学さんぽ3)
読了日:12月21日 著者:ミリアムルヴォーダロンヌ
怪物――わたしたちのべつの顔? (10代の哲学さんぽ)怪物――わたしたちのべつの顔? (10代の哲学さんぽ)
読了日:12月21日 著者:ピエール・ぺジュ
芸術新潮 2014年 09月号 [雑誌]芸術新潮 2014年 09月号 [雑誌]
読了日:12月15日 著者:
アラバール戯曲集〈1〉戦場のピクニック (1968年)アラバール戯曲集〈1〉戦場のピクニック (1968年)感想
いまいちピンとこない。不条理な設定に置かれた人々の営為が、どこか自分と通ずるところがあり、時にそれが滑稽に見えたり、恐ろしく見えたりする。でもなんか面白味がわからない…
読了日:12月9日 著者:フェルナンド・アラバール
en-taxi 43号 2014年秋 (ODAIBA MOOK)en-taxi 43号 2014年秋 (ODAIBA MOOK)
読了日:12月8日 著者:
BRUTUS (ブルータス) 2014年 12/15号 [雑誌]BRUTUS (ブルータス) 2014年 12/15号 [雑誌]感想
サクッと読める映画を巡るいろんなおしゃべり。公開待機作や日本公開希望作の紹介がないのがちょっと寂しい
読了日:12月3日 著者:
映画秘宝 2015年 01月号 [雑誌]映画秘宝 2015年 01月号 [雑誌]感想
「フューリー」、「ザ・レイドGOKUDO」、アレックス・デ・ラ・イグレシアス。ノーラン&フィンチャー特集は読みたいような読みたくないような…「探偵映画」はまったく「シャーロック」に関心がないのでイマイチ乗れない…
読了日:11月30日 著者:洋泉社
シナリオ 2014年12月号シナリオ 2014年12月号感想
「紙の月」と「花宵道中」はテーマが似ているので続けて読むと面白い。ただ後者は古臭い。「滝を見にいく」はほとんどコントなんだけど、これをどう映画にしたのかちょっと気になる。
読了日:11月24日 著者:
井上ひさし笑劇全集 上 (講談社文庫 い 2-2)井上ひさし笑劇全集 上 (講談社文庫 い 2-2)感想
井上ひさしてんぷくトリオのために書いたコント集。文章だけだと時代がかった古臭さが目についてしまう。コントは紙の上だけじゃなくて、演者の表情、アクションがあってやっぱり活きるんだな、と。実際のコントを見てみたい。ボケとツッコミがひとつのネタの中でコロコロ変わったり、ダジャレ、ナンセンス、ドタバタといろんなパターンが勉強できる。
読了日:11月22日 著者:井上ひさし
アメリカ文化のヒーローたち (新潮選書)アメリカ文化のヒーローたち (新潮選書)感想
20世紀アメリカを彩るヒーローたち。文学、映画、音楽、絵画、ドキュメンタリーの各分野から代表的な人物を1〜2名取り上げる。著書の私見、体験がだいぶ反映されているが、それゆえの面白さもある。ティン・パン・アレーとプレスリーを取り上げるとか。ゲーリー・クーパージョン・ウェインに言及しながらジェームズ・ディーンにはまるで触れないとか。ちょっと古さはあるものの読みやすく、アメリカ文化好きには楽しめる。
読了日:11月18日 著者:本間長世
別役実のコント教室―不条理な笑いへのレッスン別役実のコント教室―不条理な笑いへのレッスン感想
久し振りに再読。面白い。別役先生による生徒たちへのコント評が温かいのもほっこりする。サクッと読めるけども、コントを書く面白さも十分に詰め込まれてる。「感覚的に理解してもらうしかない」といった箇所もいくつもあるけど、これを読めば少しはセンスを養うこともできる。コント書きたくなってくる。
読了日:11月12日 著者:別役実
カポーティ短篇集 (ちくま文庫)カポーティ短篇集 (ちくま文庫)感想
味わいは色々だけども、どれも気持ちのよい短編。飛べないカラスとの交流を描いた「ローラ」、ちょっとホラーなオチの「窓辺の灯」、一か八かの勝負に賭ける貧しい兄妹と彼らを見守る町の人々の人生の断面を描いた「銀の酒瓶」が中でも印象的。
読了日:11月8日 著者:トルーマンカポーティ
ミスゼロで仕事が速くなる! トヨタのすごい改善術ミスゼロで仕事が速くなる! トヨタのすごい改善術
読了日:11月5日 著者:若松義人
シナリオ 2014年11月号 雑誌シナリオ 2014年11月号 雑誌感想
Vシネ25周年企画。「ネオチンピラ鉄砲玉ぴゅ〜」のシナリオが面白い!
読了日:11月3日 著者:
アンダスン短編集 (新潮文庫 ア 4-2)アンダスン短編集 (新潮文庫 ア 4-2)感想
好きだなあ、アンダスン。中年から老年にさしかかった、生活にくたびれた男女の滑稽かつ哀しき日常。「卵」で瓶の口から酢で茹でた卵を入れようと苦闘する男、「悲しいホルン吹きたち」でパーティに乗り込もうとして熱々のコーヒーを体にかぶって大火傷する男、とても他人事とは思えない。
読了日:10月28日 著者:アンダスン
自分で考える社員のつくり方 (PHP新書)自分で考える社員のつくり方 (PHP新書)
読了日:10月15日 著者:山田日登志
「意識」とは何だろうか―脳の来歴、知覚の錯誤 (講談社現代新書)「意識」とは何だろうか―脳の来歴、知覚の錯誤 (講談社現代新書)
読了日:10月11日 著者:下條信輔
シナリオの基礎技術シナリオの基礎技術感想
これは非常にためになる。つい「この映画の脚本はダメだな」なんて訳知り顔で言いたくなる向きには、本書を読めばどこがどうダメなのかがわかる。もしくは自分がいかに知識不足だったかがわかる。脚本を書きたいと思っている、または実際に書いている人には当然いろんな示唆を与え、または技術を伝えてくれる。原稿用紙への書き方から、初心者がおかしやすい誤り、面白くするための技術などこれから何度でも参考にさせてもらいそう。
読了日:10月6日 著者:新井一
ポカヨケの基本がわかる本―ポケット図解ポカヨケの基本がわかる本―ポケット図解感想
お勉強。人はミスをするもの。そのことへの理解を説きつつ、原因追求から対策実行、継続的な予防措置までわかりやすく解説。参考になりました。
読了日:10月1日 著者:長谷川浩一
あの夏、サバ缶はなぜ売れたのか?  ~ 仮説を行動、成果につなげるビジネスビッグデータ分析 ~あの夏、サバ缶はなぜ売れたのか?  ~ 仮説を行動、成果につなげるビジネスビッグデータ分析 ~感想
直接自分の今の仕事に関わりのあるテーマではないんだけども、素人でもわかりやすいビッグデータ活用入門書。サイエンス(データ分析)とアート(ひらめき)の融合が重要との指摘になるほど、と。高度な統計スキルを持っていなくても誰もがビッグデータ分析を始められるきっかけにはなると思う。でも、集めたデータから何を導き出すか、つまりひらめきの部分は経験や勘、センスによるとこが大。いかにしてひらめきを多く得るか、がこの著書の次作のテーマになるのかな、と。
読了日:9月30日 著者:大木真吾
ラーメンと愛国 (講談社現代新書)ラーメンと愛国 (講談社現代新書)感想
ラーメンがいかにして日本を代表する国民食になったのかを、20世紀の日本史のトピックと絡めて語る。戦中の兵站や生産技術力の話から田中角栄、昨今のメディアのリアリティショー化までラーメンとの意外な関わりが分かって面白い。多少眉唾な感じがなくもないが、それも外連味として楽しめる。
読了日:9月25日 著者:速水健朗
物語アメリカの歴史―超大国の行方 (中公新書)物語アメリカの歴史―超大国の行方 (中公新書)感想
大文字のアメリカ史と著者個人のアメリカ体験とが程よくブレンドされてて、新書らしい読みやすさ。
読了日:9月15日 著者:猿谷要
映画秘宝EX 映画の必修科目10 仰天カルト・ムービー100 PART2 (洋泉社MOOK 映画秘宝 EX|映画の必修科目 10)映画秘宝EX 映画の必修科目10 仰天カルト・ムービー100 PART2 (洋泉社MOOK 映画秘宝 EX|映画の必修科目 10)感想
人がどんな映画に熱を上げるのかはわからない。その熱の数だけカルトムービーは存在する。まだまだカルトムービーのネタは尽きないわけだ。「1」はすでに世間的に「カルトムービー」のお墨付きをもらってるものが多くポップな印象だったけども、続編の本書はも少し選者の個人的な思い入れが感じられるややマニアックなチョイスになっている。トラウマ系の作品が多いような気もする。観てない作品はどれも観てみたいけど、中でも観たいと思ったのは「裸のキッス」「四匹の蠅」「ウィズネイルと僕」。
読了日:9月13日 著者:
底抜け合衆国: アメリカが最もバカだった4年間 (ちくま文庫)底抜け合衆国: アメリカが最もバカだった4年間 (ちくま文庫)感想
面白い。今読んでも全然古びない。町山智浩のアメリカ時事コラムが面白いのは、アメリカの裾野を的確に捉えてるからこそなんだろう。90年代後半から00年代アメリカの文化や社会については、下手な学術書より町山智浩のこうしたコラム読む方がずっとためになるような気がする。
読了日:9月8日 著者:町山智浩
箱根富士屋ホテル物語箱根富士屋ホテル物語感想
これは意外にも(失礼!)面白かった!今夏富士屋ホテルに泊まった縁で、興味あって気軽に読み始めたんだけども、読み物としてかなり読み応えあり!時代でいうと明治から昭和30年代くらいまでの富士屋ホテルの変遷を、初代から三代目までの個性的な社長を軸に描く。初代山口仙之助が岩倉使節団に同行してたかどうかを調査するミステリーとして幕開け、増補版にだけ収められた富士屋ホテル株買占め事件の顛末を描く政治サスペンス風余話で締める構成も素晴らしい。これはぜひドラマ化か映画化して欲しい。
読了日:9月2日 著者:山口由美
温泉をよむ (講談社現代新書)温泉をよむ (講談社現代新書)感想
これでも新書レベルにわかりやすく、とっつきやすくまとめてるのかもしれないけど、かなり硬派な温泉学の論文集、という印象。歴史学、医学、博物学民俗学、文学など多方面から温泉の真の姿を浮き彫りにする。表層的な観光視点からは見えてこない温泉像を知ることができる。温泉がここまで学問の対象として深いとは知らなかった…
読了日:8月28日 著者:日本温泉文化研究会
決定版1億人の俳句入門 (講談社現代新書)決定版1億人の俳句入門 (講談社現代新書)感想
これは面白かった!俳句なんて興味なかったし、味わい方も当然知らなかったけども、これを読むとちょっと俳句がわかったような気にさせられる。最後に日本の特殊な暦事情や日本語の表現についても解説があり、俳句だけでなく日本文化について考えさせられる入門書の趣。俳句も読んでみたくなる。その道のプロがわかりやすく解説し、きちんと初心者にその面白さを届ける。これこそ新書のお手本。
読了日:8月25日 著者:長谷川櫂
映画秘宝 2014年 10月号 [雑誌]映画秘宝 2014年 10月号 [雑誌]感想
「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」楽しみになってきた。ジョー・ダンテのインタビュー、飲んだくれ映画、プチョン・ファンタレポートも面白い。あんまり関心のなかった「TOKYO TRIBE」と「るろ剣」も気になる。
読了日:8月24日 著者:洋泉社
アメリカの鱒釣り (新潮文庫)アメリカの鱒釣り (新潮文庫)
読了日:8月22日 著者:リチャードブローティガン
なぜ?どうして?宇宙と地球ふしぎの話-親子と楽しめる!  (池田書店のふしぎシリーズ)なぜ?どうして?宇宙と地球ふしぎの話-親子と楽しめる! (池田書店のふしぎシリーズ)感想
子どもの自由研究の参考資料として図書館から借りてくる。「親子で楽しめる!」とあったので、まずは親が通読。文字は大きいし、わかりやすく書かれているので気軽に読める。人工衛星が周回し続けられる理由や毎年流星群が見られる理由など知らなかったことも「なるほどね」と。
読了日:8月18日 著者:林公代
地方にこもる若者たち 都会と田舎の間に出現した新しい社会 (朝日新書)地方にこもる若者たち 都会と田舎の間に出現した新しい社会 (朝日新書)感想
岡山の、40ほどのサンプルで地方都市=「ほどほどパラダイス」に満足している現代の若者たちを論じるのはちょっと説得力に欠ける。言いたいことはわかるけども。後半は地方都市とはあまり関係なく、J-POPの歌詞から読み解く若者像の変容を論じる。これも恣意的にいくらでも好きなように語れてしまう気がする。BOOWY、B'z、ミスチルキック・ザ・カン・クルーなど一応時代毎に当時の若者に絶大な支持を受けたアーティスト、という基準があったのだろうか?その基準がよくわからなかった。
読了日:8月16日 著者:阿部真大
団塊世代の戦後史 (文春文庫)団塊世代の戦後史 (文春文庫)感想
数字から見えてくる世界だけで断定してしまってるような印象。これがマーケティングの手法なのかもしれないが、なんだか面白味に欠ける。時々筆が滑ったような感情的な文章、見下したような文章が混じり、これがどうも気に入らない。
読了日:8月14日 著者:三浦展
百年の品格 クラシックホテルの歩き方百年の品格 クラシックホテルの歩き方感想
富士屋ホテル創業者の曽孫である著者による、ギラギラしてないセレブのためのホテルの楽しみ方。クラシックなホテル世界の清涼感は暑い夏の読書にちょうど良い。富士屋ホテル2代目山口正造は、金谷ホテル創業者の次男であり、帝国ホテルの総支配人も兼務してたというのが驚き。
読了日:8月13日 著者:山口由美
芸術新潮 2014年 08月号 [雑誌]芸術新潮 2014年 08月号 [雑誌]感想
現代ヌード画最前線。ヌードといったら女性、というのではなくイケメンヌードや男性アーティストによる自画像ヌードも取り混ぜ多面的に紹介。特集の巻頭を飾る諏訪敦の真摯さが際立つ。作品も誌上ながら迫力がある。
読了日:8月13日 著者:
団地の時代 (新潮選書)団地の時代 (新潮選書)感想
2008年から2010年にかけて5回行われた重松清原武史の対談集。東京の団地っ子=原武史に地方転勤族=重松清が、60年代から70年代にかけての団地を巡る社会、政治についてインタビューする形。同級生である2人が同時代の思い出話など語らったり、鉄道オタク的話題で盛り上がったりと硬軟取り混ぜて進行。西武と東急、団地妻、団地と社会主義など様々なコンテクストが織り込まれていて、興味が広がる。鉄道話はちょっとついてけないとこもあったけど。
読了日:8月9日 著者:原武史,重松清
アメリカ文化 55のキーワード (世界文化シリーズ)アメリカ文化 55のキーワード (世界文化シリーズ)感想
政治、社会、文化などコンパクトにまとまってて読みやすい。このシリーズ自宅に置いておきたい。
読了日:8月9日 著者:笹田直人,山里勝己,野田研一
こちらあみ子 (ちくま文庫)こちらあみ子 (ちくま文庫)感想
これはすごかった!久し振りに小説読んでガツンとやられた!デビュー作とは到底思えない。虚実被膜のあわいに、海底で揺らめく海藻のように存在する。現実と虚構の区別がつかない主人公、いやそもそもここに書かれてることは現実なのか虚構なのか?心地よく煙に巻かれる。
読了日:7月31日 著者:今村夏子
こちらあみ子 (ちくま文庫)こちらあみ子 (ちくま文庫)
読了日:7月31日 著者:今村夏子
草の竪琴 (新潮文庫)草の竪琴 (新潮文庫)感想
カポーティ。少年が大人になるための通過儀礼、つかの間のモラトリアムを情緒豊かに、かつビターに描き出す。作者のアウトサイダーへの憧憬が感じられる。
読了日:7月26日 著者:トルーマンカポーティ
アメリカ人の半分はニューヨークの場所を知らない (Bunshun Paperbacks)アメリカ人の半分はニューヨークの場所を知らない (Bunshun Paperbacks)感想
政治、宗教、メディアなど固い題材ながらも、池上彰の解説のように教養を押し付けてくる感じではなく、世間話にしやすいゴシップぽさを戦略的にまぶして、アメリカのニュースだけでは見えてこない現実を浮かび上がらせる。笑わせながら身震いさせる、これはもうひとつの芸になっている。
読了日:7月19日 著者:町山智浩
映画宣伝ミラクルワールド 東和ヘラルド松竹富士独立系配給会社黄金時代映画宣伝ミラクルワールド 東和ヘラルド松竹富士独立系配給会社黄金時代感想
読み応え充分!映画と観客とを繋ぐ配給に焦点を当てた白熱のドキュメント。主に70年代末から90年代初頭にかけての、独立系配給会社の独創的な宣伝手法について、当事者らの声をもとに愛憎交えて書かれている。著者の熱意が伝わってくる文章がよい。小中学生の頃に観たあの映画この映画が出てくると、ノスタルジックな気持ちになりつつ、なるほどこういう舞台裏があったのか、と映画との邂逅について考えさせられる。良書。
読了日:7月17日 著者:斉藤守彦
ラスト・タイクーン (角川文庫)ラスト・タイクーン (角川文庫)感想
読むのに時間かけすぎて印象が弱まってしまった…20〜30年代のハリウッドを舞台に、大物映画プロデューサーの栄光と没落、愛と孤独を描く。魅力的かつまさにフィッツジェラルドならではの題材なだけに未完が悔やまれる。流麗で、省略の多い文章は一流のマジシャンの手つきを思わせる。でも語り手がコロコロ変わるので、何が語られてるのか度々見失う…
読了日:7月17日 著者:フィツジェラルド
サーカスが来た!―アメリカ大衆文化覚書 (同時代ライブラリー)サーカスが来た!―アメリカ大衆文化覚書 (同時代ライブラリー)感想
サーカス、ヴォードヴィル、講演旅行、もちろんハリウッドも。著者が楽しみながら書いてるのが伝わってくる。食えない詩人や作家が講演のドサ回りで食い繋いでいた、なんていうのは知らなかった。表には出てこないアメリカ裏文化史。
読了日:7月4日 著者:亀井俊介
宇宙大オリンピック (SFロマン文庫 (19))宇宙大オリンピック (SFロマン文庫 (19))感想
タイトルがやや的外れ。宇宙大オリンピック開催の裏で、人類とのファーストコンタクトを図る謎の宇宙人が現れ、友好関係を結ぶかどうか人々の思惑が入り乱れる、といった話。主人公の少年が非の打ちどころのない人物で、まあ、ジュブナイルものらしい潔癖さとも言えるのだが、ちょっと物足りない。円筒形で皿のような目玉が3つある、と描写される宇宙人がかなり異様だけども、面白味のない賢人振りで迫力に欠ける。もっと全体的にワクワク感が欲しかった…
読了日:7月3日 著者:ミルトン・レッサー
キャプテン・アメリカはなぜ死んだか 超大国の悪夢と夢キャプテン・アメリカはなぜ死んだか 超大国の悪夢と夢感想
面白かった。国際的なニュースにまではならないアメリカの三面記事的ニュースやゴシップカタログ。アメリカのユニークさ、グロテスクさ、拝金主義が鮮烈に浮かび上がる。これらのニュースから安易に文化論や社会批評へと流れていかないのが、個人的には読みやすい。様々な矛盾を抱えた大国アメリカの展覧会、これを見て人間の欲、夢、性(さが)など考えるのも一興。
読了日:6月27日 著者:町山智浩
映画のなかのアメリカ (朝日選書)映画のなかのアメリカ (朝日選書)感想
政治学者による映画本。まさにタイトルそのまま。戦争、人種、マスコミ、宗教などのテーマ別に、映画に描かれたアメリカと現実のアメリカ、そのギャップに秘められた希望や欺瞞などに迫る。どの章もそれだけで一冊の本になりそうなところを、さらりと読みやすくまとめてある。戦争映画色々観たくなってくる。
読了日:6月22日 著者:藤原帰一
宇宙紀元ゼロ年 (SFロマン文庫 (15))宇宙紀元ゼロ年 (SFロマン文庫 (15))感想
まあ、他愛ないジュブナイルSF。工作クラブに所属する5年生男子ワーシャは、吹雪の中穴に落ち込み、目が覚めると50年後の世界(2005年)に。そこでは原子力や超音波が生活を支えるエネルギーとして日常的に使用されてるのが微笑ましい。ワーシャと一緒にマンモスも冬眠?から覚めるが、思ったほど活躍せず。で、一体なぜワーシャとマンモスは2005年に目が覚めたのか?のオチが、ズッコケ…これも微笑ましいっちゃ微笑ましい
読了日:6月21日 著者:ビタリ・メレンチェフ
それでも脳はたくらむ (中公新書ラクレ)それでも脳はたくらむ (中公新書ラクレ)感想
「意識は傍観者である」の延長で脳関係の本を読みたい、でも専門的なのは頭痛くなりそう、というので図書館から借りてきた一冊。読みやすいエッセイでさらりと。茂木健一郎の文章は初めて読んだけど、至極真っ当なことを、実に簡潔に(効率的に)書いている、という印象。脳にとってノイズや空白(「空き地」と表現してた)が重要というのは共感。
読了日:6月19日 著者:茂木健一郎
意識は傍観者である: 脳の知られざる営み (ハヤカワ・ポピュラーサイエンス)意識は傍観者である: 脳の知られざる営み (ハヤカワ・ポピュラーサイエンス)感想
私の意識・意思は、果たして本当に私自身がそう意識・意思しているものだと断定できるのか?生体の変化、コードとしてプログラムされているものが私をいとも容易く操る、といった事例がいくつも紹介されている。刺激的。
読了日:6月13日 著者:デイヴィッド・イーグルマン
ユリイカ 2014年6月号 特集=ウェス・アンダーソン―『グランド・ブダぺスト・ホテル』へようこそユリイカ 2014年6月号 特集=ウェス・アンダーソン―『グランド・ブダぺスト・ホテル』へようこそ
読了日:6月10日 著者:ウェス・アンダーソン,レイフ・ファインズ,野村訓市,蓮實重彦,三浦哲哉
なぞの第九惑星 (SFロマン文庫 (18))なぞの第九惑星 (SFロマン文庫 (18))感想
面白かった!SFほとんど読まないけど、こういう少年少女向けのわかりやすくてストレートな話なら気持ちいい。水星、金星から冥王星まで太陽系を巡る大冒険!ラストはまるで「キャビン」のような宇宙人大挙登場の大バトル!挿絵もかっこいい!
読了日:6月1日 著者:ドナルド・ウォルハイム
ルート66をゆく―アメリカの「保守」を訪ねて (新潮新書)ルート66をゆく―アメリカの「保守」を訪ねて (新潮新書)感想
アメリカの保守派というのが非常に多様だというのを知る。アメリカの映画や小説など文化一般に触れるに際して、こうした背景を知識として持ってるとまた味わい方が変わってくる。読みやすい。
読了日:6月1日 著者:松尾理也
ピューリタンの末裔たち―アメリカ文化と性ピューリタンの末裔たち―アメリカ文化と性感想
面白かった。これ読むとアメリカで性がおおらかに扱われるようになったのは割と最近のことだとわかる。とはいえ昔も今も厳格なピューリタニズムの使徒らが、目を光らせている。性の解放を謳う人たちにもピューリタニズム的なクソ真面目さがうかがえる、というのも面白い。
読了日:5月27日 著者:亀井俊介
アメリカの奇妙な話〈2〉ジャージーの悪魔 (ちくま文庫)アメリカの奇妙な話〈2〉ジャージーの悪魔 (ちくま文庫)感想
アメリカンフォークロア集。「巨人ポール・バニヤン」の方がより民俗学っぽい話が多かったのに比べると、こちらはもう少しくだけた印象。アメリカ人は人並外れたヒーロー的存在に畏怖と憧れを強く持ってるんだな、と思う。
読了日:5月24日 著者:
記憶のしくみ 上 (ブルーバックス)記憶のしくみ 上 (ブルーバックス)
読了日:5月17日 著者:エリック.R・カンデル,ラリー.R・スクワイア
若者はみな悲しい (光文社古典新訳文庫)若者はみな悲しい (光文社古典新訳文庫)
読了日:5月14日 著者:F.スコットフィッツジェラルド
ここは退屈迎えに来て (幻冬舎文庫)ここは退屈迎えに来て (幻冬舎文庫)感想
面白かった。好みの郊外小説。こじらせ文化系女子が憧れと現実の狭間で、日常と折り合いをつけながらも「磨耗されるか」と静かなる反抗心を持ち続ける。かくも哀しき。でも例えばカーソン・マッカラーズ「結婚式のメンバー」ほどのやるせなさはない。どこか郊外、というよりロードサイドといった方がしっくりくる、に生きる女子のカタログ的な印象もあり、今後ここからどう脱却していくのかが楽しみ。
読了日:5月6日 著者:山内マリコ
BRUTUS特別編集合本・日本美術がわかる。西洋美術がわかる。 (マガジンハウスムック)BRUTUS特別編集合本・日本美術がわかる。西洋美術がわかる。 (マガジンハウスムック)感想
日本美術の方はいまだ関心がそれほど持てずざっとななめ読み。でも、こうやってざっくり美術史通読すると、西洋美術が技法や画題など真面目に追及してその真面目さが作品にも現われてるのに比べて、日本の方は、外連味と遊び心に溢れていてのびのびしてるように見える。美術史を勉強したい向きには絵本みたいなものかもしれないけど、休日に読むムックとしては楽しい。
読了日:5月4日 著者:
黒のトリビア (新潮文庫)黒のトリビア (新潮文庫)感想
ちょっと古いが、犯罪や警察にまつわる一口雑学集。サクッと読める。「鑑識編」の様々な遺体に関するトリビアがゾッとする。
読了日:5月4日 著者:新潮社事件取材班
ベンジャミン・バトン  数奇な人生 (角川文庫)ベンジャミン・バトン 数奇な人生 (角川文庫)感想
フィッツジェラルドはいずれ原文で読みたいなあ。それぞれの短編から漂ってくる切なくも美しい匂いは、話そのものよりも文体に負うとこが大きいように思う。表題作は映画よりずっと美しい。
読了日:4月30日 著者:フィツジェラルド
軽蔑 (1964年)軽蔑 (1964年)感想
主人公の脚本家ばかりでなく、登場人物が皆俗物≒嫌な奴ばかりで楽しい。妻の態度が以前と違う、妻はもう俺のことを愛していない…とウジウジした男の内面をよくもここまで描き切ったものだなあ。ラストは当時は斬新だったんだろうか?今読むと古典的な趣。
読了日:4月23日 著者:アルベルト・モラヴィア
アメリカン・ヒーローの系譜アメリカン・ヒーローの系譜感想
トールテールのヒーロー、西部開拓時代の義賊など。彼らが実像を離れて、どのようにして人々に語られる、愛されるヒーローに変質していったのかをわかりやすく解説している。西部劇を観たくなってくる。
読了日:4月19日 著者:亀井俊介
巨人ポール・バニヤン―アメリカの奇妙な話〈1〉 (ちくま文庫)巨人ポール・バニヤン―アメリカの奇妙な話〈1〉 (ちくま文庫)感想
ちょっと読みにくいけどトールテールの英雄たちから都市伝説まで、アメリカの奇妙な話の古典がざっくり読み通せる。 トールテールに関しては亀井俊介アメリカン・ヒーロー系譜」の方が丁寧で読みやすかった。
読了日:4月15日 著者:
ジョジョリオン volume 1―ジョジョの奇妙な冒険part8 ようこそ杜王町へ (ジャンプコミックス)ジョジョリオン volume 1―ジョジョの奇妙な冒険part8 ようこそ杜王町へ (ジャンプコミックス)感想
4部と関連ないといっても、同じ町で、同じ姓を持つ登場人物が出てきて、やっぱりなんかしらの繋がりがあるんだろうな、という謎めいた感じに惹かれる。
読了日:4月9日 著者:荒木飛呂彦
郵便配達は二度ベルを鳴らす (新潮文庫)郵便配達は二度ベルを鳴らす (新潮文庫)感想
流れ者のフランクが職を世話してくれた食堂の主人の女房を寝取り、あまつさえその女と共謀して主人を殺すという安っぽい犯罪小説みたいな筋を、飾り気も色気もないソリッドな文体で淡々と描く。映画の脚本みたいにセリフがテンポよく交わされサクサク読める。主要人物が皆死へ向かっていく暗い話なのに、それほどじめっとした嫌な気にさせないのは、読むものの感情移入を拒むような簡潔さだったり、フランクのある意味無垢な、現実味のない存在感によるものなんだろう。
読了日:4月6日 著者:ジェームス・ケイン
九つの物語 (集英社文庫)九つの物語 (集英社文庫)感想
かなりすっ飛ばして読了。解説を読んでようやくサリンジャーの世界へ侵入する角度を見つけたような気もするが、どうも感応できない…「対エスキモー戦まぢか」「笑い男」だけはユーモアが好みだったので面白かったけど…
読了日:4月3日 著者:サリンジャー
フラニーとゾーイー (新潮文庫)フラニーとゾーイー (新潮文庫)感想
う〜ん、いまいち面白味がわからなかったけど、ゾーイーがフラニーに言う「この世の汚さの半分までは、本当のエゴを発揮しない人たちによって生み出されているんだ」というセリフに引っかかるものはあった。
読了日:3月26日 著者:サリンジャー
ハックルベリー・フィンのアメリカ―「自由」はどこにあるか (中公新書)ハックルベリー・フィンのアメリカ―「自由」はどこにあるか (中公新書)感想
なぜトム・ソーヤでなくハックルベリー・フィンなのか?トムの振る舞いは、結局秩序だった文明の枠内で許される悪戯に過ぎなかったのに対して、ハックのそれは寄って立つ場所(家族、共同体)などハナからない、紐の切れた凧と同じ自由を、無意識に求めた結果生じていたから。脱出(脱走)を繰り返して自由を求め続けたハックの姿から、アメリカ文学を、アメリカが描いた理想像を探求する。著者が指摘するように、あらゆる文学作品にハック探しをする愚は犯したくはないが、なるほどそれは魅力的。内容自体は平易で、アメリカ文学への興味が深まる。
読了日:3月18日 著者:亀井俊介
アメリカのむかし話 (1977年) (偕成社文庫)アメリカのむかし話 (1977年) (偕成社文庫)
読了日:3月18日 著者:渡辺茂男
マーク・トウェイン短編集 (新潮文庫 ト 4-3)マーク・トウェイン短編集 (新潮文庫 ト 4-3)感想
「トム・ソーヤ―」「ハック・フィン」はまだ悪ガキの冒険物語という趣きが強かったけども、ここに収められた短篇は名誉欲や金銭欲など人間のいやらしい上っ面を露骨にシニカルに描いていて、それがどうも上から目線のように感じられて正直ちょっと苦手。「跳ぶ蛙」一篇だけが素晴らしい。本題から逸れていくような、というかそもそも本題がないような話、こういうの好き。
読了日:3月15日 著者:マーク・トウェイン
悲惨すぎる家なき子の死悲惨すぎる家なき子の死感想
面白い!書くのは嫌い、苦痛と訴え続ける著者の書くものを「面白い!」などと言うのは、無神経だろうか?まあ、しかし受け取る側は無神経で、自分勝手なものだ。ベルンハルトはもう少し漠然と世界が絶望に覆われてたが、中原昌也の絶望は個人の内側に根ざしている。そして誰もが隔絶していてお互いに理解できないし、歩み寄ることすらしない。その極端さはむしろ笑いを誘う。おそらく著者は望まないだろうが。このように読者は勝手なものなのだ。
読了日:3月9日 著者:中原昌也
リストマニアリストマニア感想
じっくり読むというより、寝る前にパラパラと、トリビアを楽しむような感じで。
読了日:3月8日 著者:TheListmaniacs
ベルンハルト短篇集 ふちなし帽ベルンハルト短篇集 ふちなし帽感想
「巨視的に見れば世界中どこもかしこも、締め出された人々の世であって、社会などというものは存在せず、だれもかれも独りぽっち、有利な立場にある人なんかいないのだ…」という「大工」の一文がこの短編集を要約してる。絶望といわれなき迫害、暴力の蔓延る世界、でも、それをねちねち告発する風ではなく、ややくどいけども当たり前のように提示してみせる。表題作の不条理さはカフカ好きなら飲み込みやすい。「クルテラー」は本作の中では筋がしっかりしてて読みやすい。「ヤウレク」の一回読んだだけじゃよくわからないとこが魅力。
読了日:3月8日 著者:トーマスベルンハルト
すべてはブラッドシンプルから始まったすべてはブラッドシンプルから始まった感想
デビュー作「ブラッド・シンプル」から「オー・ブラザー」まで、コーエン兄弟の作品に迫る。といってもそれほど堅苦しい批評本ではない。ルーツとなっているスクリューボールコメディやハードボイルド小説などを引き合いに出しながらコーエン兄弟作品の魅力の解読を試みるも、当の本人たちへのインタビューはどれも嘘かホントかわからない答えしか引き出せない。結果、コーエン兄弟作品同様マジかジョークかわかんないような内容(に見える)。
読了日:3月2日 著者:ロナルドバーガン
ハックルベリー・フィンの冒険 下 (岩波文庫 赤 311-6)ハックルベリー・フィンの冒険 下 (岩波文庫 赤 311-6)感想
最後は、計画とはちょっと違うけど万事めでたしで波乱の冒険は幕を下ろす。やや拍子抜けの感もあるけど、それなりにカタルシス。上巻で、自由で素直なハックに感情移入してると、下巻になってトムの太鼓持ちみたいになってしまうハックにはちょっと残念。
読了日:2月27日 著者:マークトウェイン
世界 伝説と不思議の物語世界 伝説と不思議の物語感想
世界遺産ほどかしこまらず、工場や団地ほどサブカル寄りでない、といういまいち半端なウリではあるけども、パラパラ読むには目に楽しい。全て人工的な建造物、都市を含む景観をモチーフにし、そこにまつわる物語を簡単に添える構成。異様な、または威容を誇る建造物は、どれもがほとんどその時代の祈りや弔いを反映している。見えないものを具現化する、すなわちアート。
読了日:2月27日 著者:アフロ,アマナイメージズ
ハックルベリー・フィンの冒険〈上〉 (岩波文庫)ハックルベリー・フィンの冒険〈上〉 (岩波文庫)感想
トム・ソーヤーの冒険」も面白く読んだけど、こっちの方が輪をかけて面白い!原文は4種の方言を使い分けてるみたいだけども、原書を読める語学力があれば…とやや歯噛み。とはいえ訳文もハックの語りをテンポ良く表現していて楽しい。ハックとジムの自由を求める川下りの旅路。アル中DV親父にいがみ合う家族、浮浪者、いかさま師などトラッシーな人々が織りなすアメリカ下層社会が神話的様相を帯びてくる。下巻も楽しみ。
読了日:2月22日 著者:マークトウェイン
東京から 現代アメリカ映画談義 イーストウッド、スピルバーグ、タランティーノ東京から 現代アメリカ映画談義 イーストウッド、スピルバーグ、タランティーノ感想
アメリカ映画ってなんだろう?という疑問が最近頭から離れなかったんだけども、蓮實重彦が言うところの「明日もまた、これまで通り見られるはずだという錯覚を惹き起こす面白」さ、というのに説得力を感じる。イーストウッドスピルバーグタランティーノが現代アメリカ映画を担う存在なのかよくわからないが、彼らをアメリカ映画の作家として括った時に、その背後にゴダールが姿を現すというのが興味深い。対談形式なのでサラッと読めて楽しい。
読了日:2月15日 著者:蓮實重彦,黒沢清
世界は分けてもわからない (講談社現代新書)世界は分けてもわからない (講談社現代新書)感想
びっくり!ポピュラーサイエンスとたかをくくって読み始めたら、後半はほとんどミステリのような運びで、ラストは不可知な世界への畏怖やら崇敬やらない交ぜの気持ちを抱かせる。ちょっと、というかかなり衝撃的。良質な(という形容はあんまりに陳腐だけど…)小説を読んだような読後感。白状すれば、専門用語の並んだ箇所はかなりすっ飛ばしてるし、データ捏造のくだりもまるで理解してないが、それでもこの感動、である。
読了日:2月13日 著者:福岡伸一
ハリウッド100年史講義―夢の工場から夢の王国へ (平凡社新書)ハリウッド100年史講義―夢の工場から夢の王国へ (平凡社新書)感想
再読。興味のあるところ(1920~50年代、本書の第2~4章あたり)だけぽつぽつとつまみ読み。この新書サイズで、映画の技術、スター俳優、映画史に残る監督・作品、時代の徒花的ジャンル、製作会社と時代に沿ってハリウッドの歴史をざっくり学べるのはなかなかよい。
読了日:2月11日 著者:北野圭介
宇宙は何でできているのか (幻冬舎新書)宇宙は何でできているのか (幻冬舎新書)感想
平易な言葉で、宇宙への興味を喚起する、ポピュラーサイエンス本のお手本みたいな本。なるほどベストセラーになったのもわかる。それでも4つの力の解説あたりからは、正直ついてけなくなってしまう…私はロマンチックな質なので、たとえ暗黒物質や暗黒エネルギーの謎が解明されても、また別の未知なるものが立ちはだかって、永遠に宇宙のことは理解できない、というのを望む。
読了日:2月8日 著者:村山斉
言葉の外へ (河出文庫)言葉の外へ (河出文庫)感想
保坂和志の文章は、小説もエッセイも同じように、自分にとっては、読みながらすぐにほぐれていき別の考えや言葉に自分なりに置き換えられていく楽しさ、がある。だから読み終わって感想、というのは書きにくいし、いや、書けない。
読了日:2月6日 著者:保坂和志
シナリオ 2012年 09月号 [雑誌]シナリオ 2012年 09月号 [雑誌]感想
久々にまた「桐島」を読み返す。脚本だけだと、それほど面白い青春映画になるように思えないんだけどな、一体どんなマジック=演出で、あれだけのまばゆい青春映画の傑作になったんだろうか?最後、宏樹の視点でキャプテンと前田を見るところに、やっぱりグッとくる。
読了日:2月1日 著者:
ブリット・パーク (1972年) (海外純文学シリーズ〈1〉)ブリット・パーク (1972年) (海外純文学シリーズ〈1〉)感想
最後までピンとこなかった…サバ―ビアに住む平均的人間のちょっとフツーじゃない日常を描いている、というとこは個人的にはツボなんだけども、描かれている世界観というのかイメージというのかを共有できなかった…また別の機会にチーヴァーはチャレンジしよう
読了日:1月29日 著者:ジョン・チーヴァー
ハイスクールU.S.A.―アメリカ学園映画のすべてハイスクールU.S.A.―アメリカ学園映画のすべて
読了日:1月27日 著者:長谷川町蔵,山崎まどか
ライ麦畑でつかまえて (白水Uブックス)ライ麦畑でつかまえて (白水Uブックス)
読了日:1月20日 著者:J.D.サリンジャー
BRUTUS (ブルータス) 2014年 2/1号 [雑誌]BRUTUS (ブルータス) 2014年 2/1号 [雑誌]感想
日用品っていわば匿名の存在だけども、こうしてどこどこのメーカーの、とか、誰々のデザインの、とか出自を表に出し、どのようにして作られたのかという経緯や歴史、またそれを手に入れるまでの私的なストーリーを語ると、かけがえのないものに見えてくる。こういうちょっとしたことで人は生活に潤いを求める、そのことに軽い驚きがある、とか。
読了日:1月18日 著者:
21世紀アメリカの喜劇人 (SPACE SHOWER BOOks)21世紀アメリカの喜劇人 (SPACE SHOWER BOOks)感想
面白かった。一気に読んだ。90年代から現在までのアメリカンコメディの旨味がぎゅっと詰まっている。ロマコメやティーン向けまでフォローしているのも嬉しい。アメコメガイドとしてももちろん役立つ。時に辛辣なとこもあるけども、アメコメへの愛に裏打ちされているのと、なにより新たなアメコメの才能を期待するという開かれた姿勢に、単なるガイド本とは違う頼もしさを覚える。
読了日:1月12日 著者:長谷川町蔵
エデンの門―イーサン・コーエン短編集エデンの門―イーサン・コーエン短編集感想
コーエン兄弟の弟による短編集は、まあ、映画よりもさらにいたずらの度がすぎる、質の悪さ全開。暴力、汚物、性、宗教を露悪的ギャグにして、それがまたたいして笑えない、というのがおかしくもあり、これってやっぱりコーエン兄弟の映画にも通じるな、と。「バーン・アフター・リーディング」のバカバカしい世界が好きな人なら割と楽しめるかも。ただ、読みにくいったらありゃしない…
読了日:1月10日 著者:イーサンコーエン
短編小説のアメリカ 52講 こんなにおもしろいアメリカン・ショート・ストーリーズ秘史 (平凡社ライブラリー)短編小説のアメリカ 52講 こんなにおもしろいアメリカン・ショート・ストーリーズ秘史 (平凡社ライブラリー)感想
短編小説はアメリカの発明品、から、アメリカの特産品へ。「ニューヨーカー」の緻密な原稿チェックや、アイオワ大学の伝統ある創作科、様々なアンソロジー、自分で本を出す方法、さらにネットから生まれる新たな才能?などトリビア満載。文学史のような堅苦しさがなく、気楽に読めて、アメリカ文学に興味ある向きにはなかなか楽しい。
読了日:1月6日 著者:青山南
アメリカ文学入門アメリカ文学入門感想
興味のあるとこだけざっくりと通読。20〜30年代、ポストモダンあたりが特に関心あり。作家別、テーマ別に好きなとこから読めるし、巻末にはアメリカ歴代大統領やアメリカ文学史などあり、参考文献、索引もついてて大学の授業で買わされそうな一冊ではあるが、勉強にはなる。
読了日:1月5日 著者:
シナリオ 2013年 10月号 [雑誌]シナリオ 2013年 10月号 [雑誌]
読了日:1月1日 著者:

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