船橋リズムセンター

「野に在って野に下らず、俗に在って俗に流されず」。こだわりなし、怒りなし、浅く、ぶれつつ、無着陸、、、

1月に観た映画あれこれ

映画館での鑑賞4本。

DVD鑑賞と合わせて月間20本。

毎月これくらいのペースで観れたらよいとは思う。

1月は2014年に映画館では観れなかった作品をなるべく観たつもり。

中でも面白かったのは「鑑定士と顔の見えない依頼人」。

こういう品のいい映画が案外好きである。

品のないのも好きだけど、品のないくせにクールな振りをする「ニンジャ・アサシン」みたいなのはちょっとうんざり。

品のあるなしをぶっ飛ばす「フルスタリョフ、車を」はただただ呆気にとられる。


1月の鑑賞メーター
観たビデオの数:20本
観た鑑賞時間:2337分

ニンジャ・アサシン [DVD]ニンジャ・アサシン [DVD]
盛大な切株描写で度肝抜くオープニング。なるほど、R18指定も納得。子どもに見せるにはためらわれる。忍者の出てくるアクションシーンは、とにかく派手に切り刻みあい、血飛沫が飛び散る様は花火大会のよう。忍者の描かれ方がほとんどホラー映画のモンスターのようで、映画全体もホラーアクションの趣き。ショー・コスギがキャスティングされていたり、厳しい修行シーンがあったりと、忍者映画へのリスペクトが感じられるが(といっても忍者映画ちゃんと観たことない)、話自体は陳腐。レインの顔が苦手なので、いまいちのれない…
鑑賞日:01月31日 監督:ジェイムズ・マクティーグ
ネイバーズ 無修正バージョン [DVD]ネイバーズ 無修正バージョン [DVD]
低俗ネタ満載アメコメ。まだまだ独身気分の抜けない新婚夫婦の隣に越してきたのは、毎日パーティー三昧の友愛会だった。「アニマル・ハウス」のアップデイト版とも言えるけど、ナンセンスの果ての爽快さと切なさがあった「アニマル・ハウス」に比べると、やや見劣りする。友愛会会長のテディとマックが対立するのは、互いに憧れや恐れを抱いているからで、彼らは戦うことでそれらを克服し大人へと成長する。というテーマがそれとなくあるが、そこがちょっと言い訳がましく思えた。もっとハチャメチャでもよかった。ローズ・バーンがチャーミング。
鑑賞日:01月29日 監督:ニコラス・ストーラー
エクソシスト ディレクターズカット版 [DVD]エクソシスト ディレクターズカット版 [DVD]
初鑑賞。医学は無策であり、信仰ですらそれほど万能というわけでもない、そのなんともやるせない諦念が全編を覆い尽くしている。徐々に焦燥の色を濃くしやつれていく母親の顔が、この作品の残酷さを表している。180度回転やスパイダーウォークも確かにショックだけども、それよりもリーガンが受ける脳の検査が恐ろしかったりする。
鑑賞日:01月25日 監督:ウィリアム・フリードキン
S.W.A.T コレクターズ・エディション [DVD]S.W.A.T コレクターズ・エディション [DVD]
子どもが借りてきたので一緒に鑑賞。思ってたより無難なエンタメアクション。銃は撃ちまくるけど流血控えめ、それほどエグい展開はなく、後半はゲームっぽい。これといって見所がなかった。
鑑賞日:01月25日 監督:クラーク・ジョンソン
パイレーツ・オブ・カリビアン デッドマンズ・チェスト スペシャル・エディション [DVD]パイレーツ・オブ・カリビアン デッドマンズ・チェスト スペシャル・エディション [DVD]
子どもが観てたので一緒に鑑賞。終盤の転がる水車から船上でのクラーケンとの死闘に至るスラップスティックなアクションの連続は惹きつけられる。が、どうもジョニー・デップ演じるジャックが鬱陶しくて、まともに観ようという気にさせられない。青い空白い砂浜に亡霊の海賊達が上陸するシーンは好き。
鑑賞日:01月24日 監督:ゴア・ヴァービンスキー
ミスト [DVD]ミスト [DVD]
ようやく鑑賞。バッドエンドの帯に惹かれて期待していたのだけども、霧の中の異形のものたちの造形に興味を削がれる。ほぼワンシチュエーションで状況が全く分からない、という進行はサスペンスフルで惹きつけられるが、おそらく本来なら閉じ込められた人々の群像劇にすべき演出(脚本?)がいまいち弱いので、もうひとつドラマが盛り上がらない。ラストの衝撃ももっと嫌な感じにすることもできたと思う。異常な状況が現実認識を誤らせるという話。ただ正しく現実認識していても救われるかどうかは別、という。
鑑賞日:01月23日 監督:フランク・ダラボン
アンダー・ザ・スキン 種の捕食 [DVD]アンダー・ザ・スキン 種の捕食 [DVD]
ちょっと乗れなかった。極端にセリフや説明的な描写を削ぎ落として、耽美というのかただ勿体ぶったような映像の力で描いてはいるが、まあ、言ってしまえばB級ど田舎侵略SFもの。ミニマルミュージックのような誘惑の反復がコミカルであったり、海や森などが曇り空の下むき出しに撮られてるのが妙に恐ろしかったりと惹かれるところがなきにしもあらずだけども、なんか知的な雰囲気が鼻に付く。スカーレット・ヨハンソン地球外生物的豊満なボディにはそれなりに説得力あったかな。
鑑賞日:01月19日 監督:ジョナサン・グレイザー
ディス/コネクト [DVD]ディス/コネクト [DVD]
これはなかなか見応えある社会派群像劇。SNS、チャット、ポルノサイトなどで繋がった人々の3つの物語を交錯させ、現代のリアル/バーチャルでの人々の関係性を描く。人々の生活にネットが何の違和感もなくあるという演出が、ここまで自然に描かれているのもなかなかないんじゃないか。語り口がとてもスマート。中盤くらいまでは「頭のいい映画だなあ」と感心しながら観ていたけども、ラストへ向けて3つの物語がそれぞれにリアルで爆発する、というサスペンスな展開に力強さを感じる。若い俳優たちが皆伸び伸びしてていいなあ、と。良作。
鑑賞日:01月17日 監督:ヘンリー=アレックス・ルビン
薄氷の殺人薄氷の殺人
面白かった。ただし事前になんとなく予想していたような男女の愛憎を描くミステリーといった作品ではない。バラバラ殺人というスキャンダラスな見た目とは裏腹に、その顛末自体は案外拍子抜けなもの(真相ははっきりとはさせてないが)。けれどもこの拍子抜けな話を、詩情豊かに描いている。引きの画の力強さ、音や音楽への繊細なこだわりなど監督の才気が全編から滲み出ている。ヒロインのツンとした美しさもいい。次回作が楽しみな監督。
鑑賞日:01月16日 監督:ディアオ・イーナン
ポール・ヴァーホーヴェン/トリック [DVD]ポール・ヴァーホーヴェン/トリック [DVD]
実験的な試みを前面に出してようやく観るに値する作品。豪腕ヴァーホーヴェンもかなり苦労したとみえて、冒頭言い訳めいた舞台裏が描かれる。話自体は土曜サスペンスドラマにややエロを足して、ギュッと短縮した感じ。細切れで製作したせいで、全体的には薄味。やっぱり全体が見えてないと、演出のメリハリに欠けるんじゃないか、と。家族を掻き回す女子学生メリルがもっと活躍すると、ヴァーホーヴェンらしいいやらしさが出たんじゃないかな。メリルを演じた女優がきれいだった。
鑑賞日:01月15日 監督:ポール・ヴァーホーヴェン
蜘蛛女 [DVD]蜘蛛女 [DVD]
弱い男と強い女のハードボイルド。ウェットな雰囲気の演出はまあまあよいけども、主役の刑事(ゲイリー・オールドマン)もマフィアの悪女(レナ・オリン)もあまりに下卑てて色気がなさすぎる。このちぐはぐさがずっと違和感として残る。プロットはシンプルで面白いんだけど。マフィアのドンを演じたロイ・シャイダーの渋さが光る。
鑑賞日:01月14日 監督:ピーター・メダック
フルスタリョフ、車を! [DVD]フルスタリョフ、車を! [DVD]
この作品の前ではどんな言葉も軟弱。無難な感想など虫けらのように踏み潰される。中原昌也が解説で語る「映画は物語を語るためだけの道具ではない、というのを、いやというほどに教えてくれる」という意見に全く同感。正直、観てる間ほとんど何が行われているのかわからなかった。医師であり軍人である父親を少年が回想している構成や作品の持つ圧倒的なエネルギー、猥雑さ、混沌はホドロフスキーの「リアリティのダンス」を想起させる。ノイズ音楽をヘッドフォンで聴くと眠気に襲われるように、この作品もまともに観ようとすると眠くなってくる。
鑑賞日:01月12日 監督:アレクセイ・ゲルマン
とらわれて夏 [DVD]とらわれて夏 [DVD]
話がきれいすぎて好みじゃないかな。メロドラマにしては主演の2人がどうも野暮ったいのもいまいち。フランクがやってきてから2日目くらいまでは、彼を含めてアデルとヘンリーとの3人が交わす視線のアクションがなかなか効いてたけども、ラストのサスペンスな展開はちょっと強引のような…j.k.シモンズ、トビー・マグワイアの起用が贅沢というかもったいないというか…
鑑賞日:01月11日 監督:ジェイソン・ライトマン
鑑定士と顔のない依頼人 [DVD]鑑定士と顔のない依頼人 [DVD]
これは面白かった!一級のミステリーでありラブストーリー。一流の競売人である男は果たして愛の真贋を見抜けるのか?隠し部屋の女性肖像画、自動人形、広場恐怖症の美女、驚異的記憶力を持つ小人症の女といったミステリーを盛り上げる仕掛けが、ラストへ向けて絡み合う脚本は見事。真実の愛を知らない孤独な競売人が、徐々に恋愛に翻弄されていく様をジェフリー・ラッシュが切なく愛おしく演じる。モリコーネの音楽もじわじわ胸に迫る。画もとても贅沢。上質な大人の映画という感じ。堪能。
鑑賞日:01月11日 監督:ジュゼッペ・トルナトーレ
マップ・トゥ・ザ・スターズマップ・トゥ・ザ・スターズ
クローネンバーグ流のややグロテスクなラブコメ、といった趣。あえてものすごく陳腐なことをやっている感じ。俳優がみな異様に気持ち悪くて、そこが見所かな。ジュリアン・ムーアの露悪さも凄いが、ジョン・キューザックも負けじと変態。サラ・ガドンは美しかった。
鑑賞日:01月07日 監督:デイヴィッド・クローネンバ
ショート・カッツ [DVD]ショート・カッツ [DVD]
長い…が、退屈ではない。いや、面白い。殺虫剤を撒き散らしながら夜のLAを飛ぶ飛行機。不穏なオープニング。同じ空の下、マス釣りを楽しむ無職、アル中の運転手、エロ電話のサクラを務める二児の母、浮気性の警官など様々な人々が交錯する。大きなドラマに発展することはないが、いくつかの死が彼らの日常に暗い影を落とす。しかしそれもまた日常に吸収されていく。空に始まり大地に終わる。その間で、すぐに忘れてしまう人間もいれば、いつまでも忘れられない人間もいる。じんわり沁みる。
鑑賞日:01月06日 監督:ロバート・アルトマン
ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅 [Blu-ray]ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅 [Blu-ray]
素晴らしい。お人好しなのに頑固者という似た者同士の親子が、あらかじめ破れている夢をそれでも叶えようとするロードムービー。ってもうこの筋だけで涙がこみ上げてくる。カウリスマキ作品にも通じる市井の人々への温かい視線と、温度を感じるモノクロの美しい映像が心地よい。父親役のブルース・ダーンの立ち姿、歩き姿がいちいち様になっててかっこよい。でもそれ以上にその妻役のジューン・スキッブがおかしくって素晴らしい。
鑑賞日:01月04日 監督:アレクサンダー・ペイン
メイジーの瞳 [DVD]メイジーの瞳 [DVD]
グッときた。自分勝手な両親の間でたらい回しにされる女の子メイジーの日々を、過剰に感情的にならず、彼女の目線でスケッチ風に描く。暗くなりがちなテーマを、同情的でなく、制裁的でもなく非常に繊細に演出した監督の演出が素晴らしい。メイジーが一滴たりとも涙を流さないのがいじらしくて泣ける。メイジーを柔らかく包む光もまたいい。
鑑賞日:01月03日 監督:スコット・マクギー,デヴィッド・シーゲル
ベイマックスベイマックス
正月休みに観るにはぴったし。頭から尻尾まで餡の詰まったエンタメ。心温まるドラマではなく完全にヒーローアクションもの。だれ場一切なし。ベイマックス出てくるまでに、すでに1本分くらいのストーリーが展開されるテンポの速さ。まあ、かなりベタな展開で、運びの効率の良さが目立つのが気になりはするけど。見所はなんといってもビジュアル。サンフランソウキョウのディテールへのこだわり、ベイマックスやメタリックなアーマー、敵のコートなどの様々な質感。これは大画面で観ると見惚れてしまう。上等のおせち食べたような気持ちになった。
鑑賞日:01月01日 監督:ドン・ホール,クリス・ウィリアムズドン・ホール,クリス・ウィリアムズ
5つ数えれば君の夢 [DVD]5つ数えれば君の夢 [DVD]
女子高を舞台に"憧れ"をめぐる少女たちの葛藤を描いた青春ドラマ。演技は未熟なんだけど、その硬さと少女たちの美しさとが、作品の詩情とうまくマッチしてて魅せる。ただ時折キュンキュンするショットがあるのに、照明が惜しいシーンも多い(夜のシーンとか)。あと詩的なセリフが多すぎる、というか全体的に登場人物が喋り過ぎるのがやや苦手。偏見かもしれないけど、いかにも少女マンガ風なタッチで、こういう作品はおそらく脊髄反射的に好きな人は「好き」ってなるんだろうな、と。自分は後半ちょっとしんどかった。
鑑賞日:01月01日 監督:山戸結希

鑑賞メーター