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船橋リズムセンター

「野に在って野に下らず、俗に在って俗に流されず」。こだわりなし、怒りなし、浅く、ぶれつつ、無着陸、、、

「60年代アメリカ映画100」読みました

 「60年代アメリカ映画100」読了。

60年代というとカウンターカルチャーの時代ですが、2014年に刊行された本書は、あまりカウンターカルチャーを前面に出していない。

大手スタジオ主導の古き良きハリウッド映画の終焉と、60年代末からのアメリカン・ニューシネマに代表される新しい才能の台頭とがクロスフェードしながら、インディペンデント製作のエクスプロイテーション作品、冷戦や人種問題をテーマにした社会派な作品なども作られるようになり、カオスな様相を呈しているのがこの時代の特色である、という編集がされている。



アメリカ映画史における60年代というのはどういう時代なのかちゃんとした認識を持っていなかったんですけども、なんとなく、大手スタジオ製作の大掛かりなミュージカルや史劇、戦争物が、むしろハリウッドの空疎さを露呈して、ハリウッドの映画産業が自滅してこうというところに、アメリカン・ニューシネマが出てきた、というくらいにしか思ってませんでした。

だから過渡期というのか、空白期くらいの感じに思ってました。



ところが、本書を読むと、いろいろな取り組みが起こってきていて、この時代って狂騒の1920年代といわれる頃と同じくらい面白そうですね。



ウォーホルやジョナス・メカスケネス・アンガーなど実験的な映像作品(こうした作品群をニュー・アメリカン・シネマというのを、恥ずかしながらぼくは知りませんでした)や、フレデリック・ワイズマンのドキュメンタリー(「チチカット・フォーリーズ」)なども取り上げているのが面白い。



コッポラやスコセッシ、デ・パルマの超初期作を取り上げているのは、2010年代の現在でも一線で活躍している監督の作品ということだからでしょう。

そういう意味で、本書には「今だからこそ見直すべき」60年代アメリカ映画、というような冠詞がぴったりくるように思います。


60年代アメリカ映画100 (アメリカ映画100シリーズ)

60年代アメリカ映画100 (アメリカ映画100シリーズ)

 

 このシリーズは「00年代」から遡るようにして出版されています。

出版の順とは逆になるけども、70年代、80年代と時代順に読んでみたい。