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船橋リズムセンター

「野に在って野に下らず、俗に在って俗に流されず」。こだわりなし、怒りなし、浅く、ぶれつつ、無着陸、、、

「メモリーズ・オブ・アメリカン・ドリーム」読みました〜アメリカは視線の先に何を捉えていたのか、という

東京都写真美術館編集の「メモリーズ・オブ・アメリカン・ドリーム」を読みました。

メモリーズ・オブ・アメリカン・ドリーム (とんぼの本)

メモリーズ・オブ・アメリカン・ドリーム (とんぼの本)


図書館でなんとなく手にとって面白そうだったので、写真がメインだからパラパラと手軽に読めるし、というので借りてみましたが、これがなかなか面白かったです。


この本は2008年に東京都写真美術館で行われた「ヴィジョンズ・オブ・アメリカ」展の公式ガイドブックということになってます。
この展覧会は知らなかった。


展覧会は3部構成で、本書もそれに倣って構成されています。
1部は「星条旗」のサブタイトルで、1839年から1917年に撮影された写真を取り上げている。
ダゲレオタイプで撮られたポートレートに始まり、南北戦争後に西部の自然環境保護を訴えた記録写真、そして社会の底辺を捉えたドキュメンタリー写真と芸術写真との2つの潮流ができていく過程を綴る。
ポール・ストランドのモダンな感覚で切り取られたデザイン性の高い写真にグッとくる。


2部は「わが祖国」と銘打たれ、1918年から1961年の写真を取り上げる。
「LIFE」に代表されるグラフ誌の創刊と隆盛、第二次世界大戦を捉えた戦争写真、ファッション誌を舞台にした若手写真家の活躍など。
ジョン・ゾーンの「ネイキッド・シティ」のジャケ写にもなっているウィージーの「死体とピストル」。有名な写真だったんですね、初めて知りました。
ダン・ワイナーの都市の憂鬱を捉えたような写真が印象的。フレデリック・ワイズマンのドキュメンタリーの一コマのよう。


3部は「アメリカン・メガミックス」、1957年から1987年を取り上げる。
ジャック・ケルアック「路上」を嚆矢とするビート世代の活動に始まり現代に繋がる様々な表現が見られる。
正直一番とっつきやすいという感じです。
リー・フリードランダー、ダイアン・アーバス、ゲリー・ウィノグランド、ナン・ゴールディンの作品にはグッときます。
何気ないようでいて本質をグッとついてくるような意地悪な視線に痺れます。


アメリカは視線の先に何を捉えてきたのかを知る、写真で綴る近現代アメリカ史。なかなか興味深かったです。
それに写真集欲しくなるね。