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船橋リズムセンター

「野に在って野に下らず、俗に在って俗に流されず」。こだわりなし、怒りなし、浅く、ぶれつつ、無着陸、、、

「暗殺の森」を観ました!若々しくってコミカルな作品

映画
ベルナルド・ベルトルッチ監督「暗殺の森」を新宿武蔵野館に観に行ってきました。
2週間の限定公開、その最終日になんとか駆け込みました。
平日の10時半の回にもかかわらず、まずまずの客入りで、比較的年配の方が多い感じ。なんとなく映画通、シネフィルが多いのかな、と穿ってしまう。
普段TOHOシネマズが多いので、なんだか緊張感があるなあ、と背筋がシャンとします。


ベルトルッチ監督作品は、「これからちゃんと観よう名匠の作品リスト」に入れていて、実は今まであまりちゃんと観ていません。
ラスト・タンゴ・イン・パリ」と「シャンドライの恋」を昔観た覚えがあるかな、という程度。
なぜこの2本?という気がします。
まあ、今回の「暗殺の森」リバイバル公開は、個人的にはよいタイミングでした。


面白かったです。予想していたよりもずっと若々しい作品だったのが、とにかく驚きでした。
光と影のコントラストや傾いた画面、唐突なパンフォーカスなど撮影のお遊びに満ち満ちていて、ただそれらを観てるだけで楽しい。
作品全体からしたら不要なんじゃないかと思われギャグみたいな演出がちょこちょこ出てきて、ニヤリとさせられる。
特にメイドがつまみ食いしながらこっそりダイニングの様子を伺ってたり、バレエ教室で小さい女の子がくるっと側転したり、盲目者たちのパーティーで突然ケンカが始まったりなんかが妙に印象的。
あと、主人公のマルチェロが銃を渡された時に、大仰に銃を構えて、最後に銃口を自分のこめかみに当てて、「帽子はどこいった?」って言うのが好き。


観る前はもっと辛気臭い映画かなと思ってたんですね。
でも、こうした撮影や演出のどれもがとても若々しく、ちょっとスノッブな感じがなくもないんですけど(原作はモラヴィアだし)、全般的に好感を持ちました。


主人公のマルチェロは、少年時代に誤って殺人を犯したことがトラウマになっていて、成長してファシストになるんですが、根っからそのイデオロギーに染まることができず、卑怯で保身的な態度ばかり取ります。
要は取るに足りない小市民なんですね。自分にも思い当たる部分があります。
彼が反ファシストの先鋒であるかつての大学の恩師を殺害する任務にあたるのですが、恩師の若い妻に惚れて骨抜きになってしまう。
そんなお話です。


でも、正直いろんなお遊びが過ぎて、ぼくには途中まで話がよくわからなかったです。


マルチェロを演じるのがジャン=ルイ・トランティニャン。
マルチェロというのはあらすじでも書いたように取るに足りない人間なんですけど、トランティニャンがニヒルに、いかにも有能そうに渋く演じます。
このギャップがおかしくてしょうがない。
イデオロギーに染まりきれない男の悲哀というムードが後半濃厚になりますが、ぼくは切実さが増すほど、どことなくコミカルに見えてきて、ああ、この作品はコメディなんだな、と納得してしまいました。
トラジックコメディといったとこでしょうか。


マルチェロが惚れる恩師の妻アンナを演じたドミニク・サンダマルチェロの新妻を演じたステファニア・サンドレッリの2人の女優が美しく、この2人を見てるだけでも十分楽しめます。
特にドミニク・サンダのヘアバンド+レオタード姿は素晴らしい。レオタードからはみ出したお尻はさらに素晴らしかったですね。

暗殺の森 Blu-ray

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