船橋リズムセンター

「野に在って野に下らず、俗に在って俗に流されず」。こだわりなし、怒りなし、浅く、ぶれつつ、無着陸、、、

「悪魔のいけにえ」を久し振りに観ました!

先日届いた「悪魔のいけにえ 公開40周年記念版 Blu-ray」の本編をようやく観ました。
今さら改めて書くまでもなく、「悪魔のいけにえ」はホラー映画の金字塔、マスターピース、レジェンドなどあらゆる賞賛を受け続けている、古びることのない古典です。
ぼくは「悪魔のいけにえ」とほぼ同じ年ですが、いまだに新たなファンを獲得し、21世紀に入ってもリメイクや続編が作られ、さらに輝きを増すのを見るにつけ、なんだか嫉妬すら覚えます。
というのはちょっと勢い余った気もしますが。


悪魔のいけにえ」は今までもソフト化はされていますが、今回は「4Kスキャニングによる新たなマスターを使用」「音声は7.1chを追加」「新たに2種のコメンタリーなど2時間半に及ぶ特典映像を追加」といった具合に、40周年記念にふさわしく映像、音声、特典とかなりの充実ぶりです。
ぼくは今までのソフトは全然買っていなかったので、同世代の好みたいなもので、この機会に購入しました。
正直、自宅のAV環境はこのBlu-rayの持ち得るスペックを忠実に再現できないですし、特典映像もぼくはあんまり重宝しないので、このソフトに見合う人間ではないな、とは思います。


とはいえ、久し振りに観た本編は面白かったです。
90分弱とタイトな尺ではあるものの、常に緊張を強いられ、観ている間中ずっと息苦しい。
これだけのテンションを維持させる作品というのはなかなかないです。
(パッと思いつくところでロッジ・ケリガンの「クリーン・シェイブン」。これもまた是非観たい!)


終始バックで不穏に鳴り響く音響と突如轟くチェーンソーの刃が唸る音、そしてそれに呼応して絶叫するサリーの声、ととにかくこのノイジーなハーモニーが恐ろしくあり、美しくもある。
爆音上映で鑑賞して感動したという声をSNSなどで見かけますが、確かに爆音上映向きなんだろうなと思います。


聴覚に訴える恐怖だけではなく、もちろん視覚に訴える恐怖も十分あります。
一家の不気味なキャラクター、室内の異様な美術、とことん不快にさせる仕掛けがいっぱい。
ヒッチハイカーの兄貴が、サリーらの乗るバンで取る行動のいちいちが薄気味悪くて厭な気分になります。
捕らえられたサリーが、一家のダイニングで死の恐怖を味わっているところを、カメラが容赦なく迫り、執拗にアップの画を重ねて編集するあたりの厭さときたら。


今回久し振りに観て意外に思ったのは、サリーがじいちゃんに殴られる場面から逃げ出した後、あっという間に終わってしまうということ。
単に忘れてたんでしょうが、一家との晩餐からピックアップトラックでの逃走成功まであんなにスピーディーとは思わなかったな。


トビー・フーパー監督作品では、ぼくは「死霊伝説」が一番好きなのですが、今回「悪魔のいけにえ」を再見したら、やっぱりここにその後のトビー・フーパーが全部あるんじゃないかな、という気がして愛しくなってきます。
トビー・フーパーは家を撮るのがうまいと思うのですが(「死霊伝説」「ポルターガイスト」など)、「悪魔のいけにえ」でもやっぱりそうですね。
パムがカークを探しに家へ向かう下りのローアングルから捉えた家とか、階段から二階へかけての撮り方とか人の動きとかもなんかグッときます。


トビー・フーパーは案外普通に家族ものなんか撮っても面白いんじゃないかな、とか思ったりします。
まあ、「ポルターガイスト」なんか近いのかな。