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船橋リズムセンター

「野に在って野に下らず、俗に在って俗に流されず」。こだわりなし、怒りなし、浅く、ぶれつつ、無着陸、、、

「1995年」と「1989年」を読みました

ちょっと基礎知識として押さえておきたい必要があって、1990年前後の時事などを簡潔にまとめた本を探して、そのものズバリの「1995年」(速水健朗 ちくま新書)と「1989年 現代史最大の転換点を検証する」(竹内修二 平凡社新書)を購入して読んでみました。


「1995年」はほんとに1995年に起きた事件・事象を政治、経済、科学技術、文化などのカテゴリーごとに概観する内容。
これといって「1995年はこういう年であった」と総括するような見解みたいなものがなく、またあえて縦軸(過去、未来)での繋がりも捨ててしまっていて、食い足りない感じもありますが、そこが潔くってよい、とも。

1995年 (ちくま新書)

1995年 (ちくま新書)



あらためて書く必要もないでしょうが、この年は阪神淡路大震災があり、オウム真理教による地下鉄サリン事件があった年。
ぼくは学生でしたが、まだパソコンも持ってなかった。
実家から都内の大学に通っていた。
当時どんな風に街を歩いてたんだろうか?
大きな事件は歴史として認識してるけど、なんだか実感としては乏しいんだよなあ。
当時どんな風に呼吸してたんだろう?
ほんとにどんどん忘れていく。


「1989年」は、「1995年」とは対照的に、冷戦の終焉、共産主義圏の崩壊にテーマを絞っている
政治的なテーマは正直苦手だけども、共産主義社会主義がいかに人々に夢を与え、しかし独裁者の専横によりそれが潰えていったのかを知るには、ぼくにはちょうどよいテキストでした。
1989年というより20世紀を学ぶのに適している。

1989年?現代史最大の転換点を検証する (平凡社新書)

1989年?現代史最大の転換点を検証する (平凡社新書)



ちょうどこの本を読んでいた時に観た「100歳の華麗なる冒険」という映画が、東西冷戦時代に思いがけず二重スパイになってしまった男のことを描いていたので面白かったです。
この映画では二重スパイの男が、ロシアの諜報機関(KGB?)へ赴いて、「CIAからなんか情報ないか頼まれたんだけど」とすっとぼけたことを言います。
それでKGBはゴミのような情報を渡して帰すんですけど、「CIAからなんか情報もらってこい」と見返りを要求する。
男はCIAに戻ってKGBの情報を渡すんですが、同じように「KGBからなんか情報ないか頼まれたんだけど」となんの隠し立てもせずに言ってのける。
当然CIAもゴミのような情報を渡す。
こうして男はゴミのような役立たずの情報を持って、鉄のカーテンを飄々とくぐり抜けていくんですね。
冷戦時代の情報戦をユーモアたっぷりにコケにしていて楽しい。
この主人公は、スペイン内戦時にフランコ将軍とダンスを踊ったり、原子爆弾の製造にも関わってまだ副大統領の時のトルーマンと会食したりなど、現代史の要人らと接触している。
かなり無茶苦茶な話で面白いです。

100歳の華麗なる冒険 [DVD]

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この映画の原作「窓から逃げた100歳老人」はスウェーデンでベストセラーになっていて、日本でも柳瀬尚紀(!)の翻訳で出版されています。
原作では映画では描かれていない、毛沢東チャーチルらと関わるエピソードもあるそうで、う〜ん、これはちょっと読んでみたい。

窓から逃げた100歳老人

窓から逃げた100歳老人




なんだかあまり1990年前後の話にならずに終わってしまった。