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船橋リズムセンター

「野に在って野に下らず、俗に在って俗に流されず」。こだわりなし、怒りなし、浅く、ぶれつつ、無着陸、、、

伊勢田勝行監督作品にグッときましたという話

アート

都築響一氏が手がけるWEBマガジン「ROADSIDER'S weekly」の購読を始めました。

前々から興味を持っていながら、毎週毎週濃厚なコンテンツを果たして読み切れるかな、paypalでの支払いというのがなんだかよくわからないな、と老人のような心配が先行して踏み出せていませんでした。

案の定、paypalの手続きでメールアドレスの入力を間違えるという初歩的な間違いをして面倒臭い事態になりましたが、どうにかこうにか購読にこぎつけました。

 

孤高の監督、伊勢田勝行

という前置きはさておき、12/2配信のvol.190でさっそくぼくの心を射抜く濃厚な=オリジナリティ溢れる=独立独歩我が道を行く人物に出会いました。

記事では孤高の監督として紹介されていた伊勢田勝行監督です。

記事冒頭の写真には、面長で幽霊のように生気のない(失礼ですが)顔をした中年男性が、金髪のかつらをかぶり、セーラームーンのようなコスプレをして写っています。

この男性こそ伊勢田監督なのです。

明らかに異様です。

監督と呼ばれていることからわかるように、彼は主にアニメや特撮ものの映像作品を制作しているのですが、完全自主制作で、今まで一度たりともメジャーな舞台に立ったことはありません。

それが今年、perfumeきゃりーぱみゅぱみゅをプロデュースした中田ヤスタカが新たに送り出すアーティストとして話題の三戸なつめのデビュー曲のPV監督に伊勢田監督が起用されたというのです。

それをまず観ていただきたい。

 


三戸なつめ 『前髪切りすぎた-学園篇-』

 


三戸なつめ 『8ビットボーイ-王子様篇-』

 

 

「生きているうちに見つかってしまったヘンリー・ダーガー

どうでしょうか?

この独特な少女マンガタッチというんでしょうか?小学生女子が友達と交換する手紙に描いていそうなイラストタッチというんでしょうか?

ピュアすぎる…

そしてなんてアナログな世界…

ぼくはアニメはまったく疎いのですが、その目から見てもあまりに拙い…

けれども、周囲の目なんかまるで気にしない、売れようとかいう欲のまるでない、自分の信じるものをただただ自力で作るそのピュアなエネルギーに惹かれます。

なんかね、泣けてきます。

都築響一氏が記事の中で述べる

伊勢田監督は僕にとって、「生きているうちに見つかってしまったヘンリー・ダーガー」だ

という興奮はよくわかります。

 

 

しかし、ぼくが直接伊勢田監督の作品に触れて、果たしてそのように思えただろうか?

やはり都築響一氏の目はすごいな、と。

言われてみれば確かに「生きているうちに見つかってしまったヘンリー・ダーガー」としか見えない。

こういう発見がごろごろしているのかと思うと、やはり「ROADSIDER'S weekly」を購読して正解だったなと思うのです。

 

 

DIY精神溢れる制作スタイル

閑話休題

三戸なつめのPVは一種の企画ものとして、アマチュア映像作家を何人かピックアップし、彼ら彼女らに競作させたものらしく、伊勢田監督の作品はそのうちのひとつということ。

ぼくは他の作品は観ていませんが、伊勢田監督のPVのイメージが強烈過ぎて、それに釣られて(?)三戸なつめの好感度もぐんと上がってしまいました。特に嫌いだったわけではないですが、俄然注目するようになった、ということです。

そういうことでいえば、まんまとプロモーションの策略にかかってしまってるのでしょう。

 

 

しかし、やっぱり伊勢田監督です。

なんでも今でも出身大学である関西学院大学の漫画同好会に出入りして、ひとり黙々と撮影に勤しんでいるとのことです。

使用する機材こそDVカメラですが、編集はPCも編集ソフトも使わず、2台のDVカメラを繋いでダビングしているというのですから驚きです。

監督、撮影、編集だけではなく出演もアフレコも自ら行う。

三脚に据えたカメラの前でひとりカメラに向かって怪人の演技をする伊勢田監督の姿は、ぼくにはこれこそ物を作る人の正しい姿だな、などと根拠もなくただ思ってしまいます。

ぼくはこういうDIY精神溢れる作り手にグッときてしまいます。

大学時代の自らの映像制作スタイルなんかを思い出して、ふつふつと「何か作りたい」という情熱のようなものが沸いてくる気がします。

伊勢田監督作品はyoutubeに結構アップされているようですので、興味のある方は探してみてください。

ここには2つほど貼らせていただきます。

 


婦警ライダー 第1話(伊勢田勝行監督作品)

 


伊勢田勝行監督「女王陛イカ きょうしょクイーン」オープニング

 

笑わせたいのかなんなのかよくわからないギャグと、こだわりがあるように見える女の子の風になびく髪が魅力です。

女の子の方が強いのはヘンリー・ダーガーの世界と通じますね。