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船橋リズムセンター

「野に在って野に下らず、俗に在って俗に流されず」。こだわりなし、怒りなし、浅く、ぶれつつ、無着陸、、、

サミュエル・フラーDVD-BOXを観ました!

映画 アメリカ

 今年の誕生日に購入したサミュエル・フラーDVD-BOXをようやく鑑賞しました。

BOXの内容は「ショック集団」「裸のキッス」「ストリート・オブ・ノー・リターン」の3本。

どれもサミュエル・フラーを代表する作品であり、カルト映画としても名高い作品です。

サミュエル・フラー DVD-BOX

サミュエル・フラー DVD-BOX



ショック集団」「裸のキッス」

ショック集団」と「裸のキッス」は前者では精神病者、後者では幼児性愛者というどちらもかなりきわどい題材を扱いながら、アメリカの抱える病理を抉り出すという点において似通っています。 
ミイラ取りがミイラになる、または元の木阿弥といった晴れ晴れとしないオチなのも同じです。


社会派色が濃厚ではあるのですが、エンタメを指向するドラマ作りがなされているので決して難解さはありません。
ショック集団」では野心溢れるジャーナリストがある殺人事件の真相を調べるために、精神病者のフリをして精神病院に潜入取材します。
目撃者の証言を集め真犯人に迫るというサスペンスフルなドラマです。
「裸のキッス」は、娼婦であった女性が真っ当な生活をするために、新たな街で保育士として働き始め幸せを掴もうとするドラマです。


ウェルメイドな脚本です。
しかし、主人公はいずれも目的を達成することができない。
苦い結末。
ぼくはこういう外し方は好みです。


コントラストの強いモノクロの映像が印象的です。
それと最も特徴的なのは編集。
大胆なカットで次のシーンへ移り、どこかギクシャクした感じがあるのですが、不思議とそれが特有のリズム感を生んでいます。


「ストリート・オブ・ノー・リターン」

このBOXの3本の中では「ストリート・オブ・ノー・リターン」が一番面白かったですね。
サミュエル・フラーが不遇の時代を経て、1989年に撮ったフィルムノワール
人気歌手がヤクザの情婦に手をつけて喉を切られ復讐するという話。
エロス、バイオレンスが艶かしく描かれていてうっとりとしてしまいます。
80年代らしい表層的なかっこよさ(ダサさ)と、アンニュイさはレフンの「ドライブ」あたりにも通じます。
主人公を演じるキース・キャラダインがはまり役で彼なしでは到底成立しえない作品とすら思えます。