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船橋リズムセンター

「野に在って野に下らず、俗に在って俗に流されず」。こだわりなし、怒りなし、浅く、ぶれつつ、無着陸、、、

「シェフ 三ツ星フードトラック始めました」で2016年最初の映画初め(DVD鑑賞)

映画 コメディ
今年最初に観た映画は、DVD鑑賞ですが、ジョン・ファヴロー監督「シェフ 三ツ星フードトラック始めました」でした。
新年最初の一本、安定の面白さ、楽しさを求めたところ真っ先に本作が浮かびました。
残念ながら、昨年映画館では見逃してしまい、その後レンタルで観て非常に歯噛みしました。
面白い!
映画館で観ていたら、間違いなく2015年のベスト5の中に入っています。

ジョン・ファヴロー、俳優から監督へ

ジョン・ファヴローはあまり興味がなかったので、「スウィンガーズ」(1996)でインディーズの雄みたいにデビューして、「アイアンマン」シリーズで垢抜けた職人エンタメ監督になったんだな、くらいの認識しかありませんでした。
と、そもそもこれは誤認ですね。
「スウィンガーズ」にはジョン・ファヴローは製作、脚本、出演で関わっていて、監督はダグ・リーマンでした。
それに「スウィンガーズ」の前にも俳優として仕事をしています。


あまりパッとしない俳優から、自ら脚本書いて映画を作る側に回るという点では、マット・デイモンベン・アフレックの先駆けだったのかな、と思います。
でも、彼らが脚本も担当した「グッド・ウィル・ハンティング」は1997年の公開で「スウィンガーズ」とほぼ同時期。
なんでしょう、この頃ハリウッドでいまいち芽の出ない俳優らに、自分たちで自分たちの作りたい映画を作ってしまえばいいんだ、という機運が盛り上がってたりしたのでしょうか?
俳優が自らのキャリアプロデュースのために製作側に回るという動きの契機が、1990年代半ばにあったのかしら、とかちゃんと調べたら案外面白そうな気がします。
ぼくはこの辺で切り上げてしまいますが。


ジョン・ファヴロー、そしてまた俳優へ、のびのび演じる

ところで「シェフ」ですけども、やっぱり面白い!
年の初めにふさわしい一本でした。
目に耳に舌に楽しい!


ジョン・ファヴローが自ら主演もしてますが、元は俳優だけあって自然体に演じています。
傲慢な一流レストランの雇われシェフ=カールが、解雇されたことで自らを省みて、それまでどちらかというとおざなりにしていた息子とのふれあいの時間を作る。


頑固だけど憎めない主人公をジョン・ファヴローがのびのびと演じています。
Twitterで自分の料理にケチをつけた批評家にケンカを売ったり、元恋人にちょっと甘えてみたけどHはやんわり断られて、代わりにペペロンチーノを作ってあげるとか、なんとなく素に近いのかな?と思わせます。


等身大のリアルな話をいかにリアルを超えて楽しめるフィクションにするか

話は、新たに始めたフードトラックが成功し、息子からも尊敬を得て、万事ハッピーに終わります。
ラテン系の音楽といい、美味しそうな料理の数々といい、暗くなる要素がどこにもない。
ただただ全編多幸感に溢れています。


「アイアンマン」シリーズをはじめ、VFXの最新技術がてんこ盛りのエンタメ作品は、いかにして荒唐無稽な話をリアルに感じさせるかというとこに眼目が置かれてますが、等身大のリアルな話をいかにリアルを超えて楽しめるフィクションにするか、という方がこれからより求められるんじゃないか、と思ったりします。
「アイアンマン」シリーズでの成功と引き替えにストレスを抱えたジョン・ファヴローは、そんな思いから「シェフ」を作ったんじゃないだろうか?と。


ボロボロのフードトラックを掃除して、手伝ってくれた作業員らにキューバサンドをお礼に振る舞うカールのいきいきとしてること!


マーベル作品の監督するって大変なのかな?そうだろうな。